2 個々の器官系用医薬品
21 循環器官用薬
212 不整脈用剤
2129 その他の不整脈用剤

改訂年月( 201505 )
商品分類番号( 872129 )
JPNコード( JPNC003693 )
YJコード( 2129007F1020 )
厚労省コード( 2129007F1020 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 36.20 )

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■シベノール錠50mg 50mg1錠 (アステラス製薬|トーアエイヨー) 【内用】  
(般)シベンゾリンコハク酸塩錠

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】   【重要注意】

  【相互作用・その他】   【併用禁忌】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】   【過量投与】

  【適用上の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201505

【改訂種別】

「版数」
第19版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[心停止を起こすおそれがある。]
2.うっ血性心不全のある患者[心機能抑制作用及び催不整脈作用により、心不全を悪化させるおそれがある。また、循環不全により肝・腎障害があらわれるおそれがある。]
3.透析中の患者[急激な血中濃度上昇により意識障害を伴う低血糖などの重篤な副作用を起こしやすい。(本剤は透析ではほとんど除去されない。)]
4.緑内障、尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用を有するため症状を悪化させるおそれがある。]
5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
6.バルデナフィル塩酸塩水和物、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩又はフィンゴリモド塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
カルメロースカルシウム
添加物
ヒドロキシプロピルセルロース
添加物
結晶セルロース
添加物
ステアリン酸マグネシウム
添加物
ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート
添加物
ジメチルポリシロキサン(内服用)
添加物
カルナウバロウ
識別コード
f302
識別コード
@302

【組成】

組成
シベノール錠50mg:
有効成分(1錠中) 添加物
シベノール錠50mg 日局 シベンゾリンコハク酸塩 50mg カルメロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウム、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、ジメチルポリシロキサン(内服用)、カルナウバロウ


【性状】

性状
シベノール錠50mg:
剤形 外形・大きさ・重量 外形・大きさ・重量 外形・大きさ・重量 識別コード
シベノール錠50mg フィルムコーティング錠 白色 側面 (図略)302
シベノール錠50mg フィルムコーティング錠 白色 (図略) (図略) (図略) (図略)302
シベノール錠50mg フィルムコーティング錠 白色 直径 厚さ 重量 (図略)302
シベノール錠50mg フィルムコーティング錠 白色 約6.1mm 約3.1mm 約92mg (図略)302

【色】
白色
【剤形】
フィルムコーティング錠/錠剤/内用

【効能効果】

効能効果
下記の状態で他の抗不整脈薬が使用できないか、又は無効の場合:
頻脈性不整脈

【用法用量】

用法用量
通常、成人にはシベンゾリンコハク酸塩として、1日300mgより投与をはじめ、効果が不十分な場合には450mgまで増量し、1日3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
1.本剤は下記のとおり腎機能障害患者では血中濃度が持続するので、血清クレアチニン値(Scr)を指標とした障害の程度に応じ投与量を減じるなど用法・用量の調整をすること。なお、透析を必要とする腎不全患者には投与しないこと。(本剤は透析ではほとんど除去されない。)
(1).軽度〜中等度障害例(Scr:1.3〜2.9mg/dL):
消失半減期が腎機能正常例に比し約1.5倍に延長する。
(2).高度障害例(Scr:3.0mg/dL以上):
消失半減期が腎機能正常例に比し約3倍に延長する。(「薬物動態」の項参照)
2.高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすいので、少量(例えば1日150mg)から開始するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。(「高齢者への投与」の項参照)

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
2.刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者
3.著明な洞性徐脈のある患者
4.重篤な肝機能障害のある患者
5.腎機能障害のある患者[蓄積しやすい傾向があるので、少量から開始するなど投与量に十分に注意し、慎重に観察しながら投与すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「薬物動態」の項参照)]
6.高齢者[腎機能が低下していることが多いので、腎機能障害のある患者に準じて投与すること。(<用法・用量に関連する使用上の注意>、「高齢者への投与」及び「薬物動態」の項参照)]
7.治療中の糖尿病患者[低血糖があらわれるおそれがあるので、血糖値に注意すること。]
8.血清カリウム低下のある患者[催不整脈作用が誘発されやすいので、心電図変化に注意すること。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。
特に、次の患者又は場合には、心停止に至ることがあるので、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。
(1).基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)があり、心不全を来すおそれのある患者(心室頻拍、心室細動が発現するおそれが高いので、開始後1〜2週間は入院させること。)
(2).高齢者(入院させて開始することが望ましい。)
(3).他の抗不整脈薬との併用(有効性、安全性が確立していない。)
(4).腎機能障害のある患者[本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすい。特に透析を必要とする腎不全患者では、急激に血中濃度が上昇するおそれがあるので投与しないこと。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)]
2.本剤の投与中は、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、血糖検査等)を定期的に行い、必要に応じて適宜本剤の血中濃度を測定すること。異常が認められた場合には、減量、休薬等適切な処置を行うこと。
特に高齢者及び腎機能障害患者では、血中濃度上昇により低血糖が、また、基礎心疾患のある患者では、心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって肝・腎障害があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止すること。
3.本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる場合があるので、恒久的ペースメーカー使用中、あるいは一時的ペーシング中の患者に対しては十分注意して投与すること。また、ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。
4.本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、霧視、視調節障害等の症状があらわれることがあるので、このような場合には減量するか投与を中止すること。
5.1日用量450mgを超えて投与する場合、副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
6.めまい、ふらつき、低血糖があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

【相互作用・その他】

相互作用
相互作用序文
本剤は尿中に未変化体として55〜62%排泄される。また、肝において主にCYP2D6及びCYP3A4で代謝される。(「薬物動態」の項参照)

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルデナフィル塩酸塩水和物 (レビトラ) モキシフロキサシン塩酸塩 (アベロックス) トレミフェンクエン酸塩 (フェアストン) フィンゴリモド塩酸塩 (イムセラ、ジレニア) 心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、QT延長を起こすおそれがある。 本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により相加的に作用が増強するおそれがある。


【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
β-受容体遮断剤 プロプラノロール 本剤の作用が増強される可能性がある。 機序は明らかではないが、動物実験において本剤とこれらの薬剤との併用による作用増強の可能性が報告されている。
糖尿病用薬 インスリン製剤 スルホニルウレア系製剤 スルホンアミド系製剤 ビグアナイド系製剤 インスリン抵抗性改善剤 速効型インスリン分泌促進剤 低血糖があらわれるおそれがある。 動物実験において、本剤高用量投与時にインスリン分泌亢進が認められるとの報告があり、これらの薬剤との併用により血糖降下作用が増強される可能性がある。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
総症例数4,452例中、352例(7.91%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は口渇29件(0.65%)、低血糖、胃部不快感、ふらつき及びALT(GPT)上昇が各13件(0.29%)であった。(再審査結果通知:1998年3月)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.催不整脈作用:心室細動(0.1%未満)、心室頻拍(Torsades de Pointesを含む)、上室性不整脈(各0.1〜5%未満)があらわれ、心停止に至る場合もあるので、定期的に心電図検査を行い、異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、抗不整脈薬を投与するなど適切な処置を行うこと。
2.ショック、アナフィラキシー:ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、胸内苦悶、冷汗、呼吸困難、血圧低下、発疹、浮腫等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.心不全:心不全(0.1〜5%未満)、心原性ショック(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に心機能検査を行い、異常な変動が観察された場合には、投与を中止し、ドパミンの投与等適切な処置を行うこと。
4.低血糖:低血糖(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、定期的に血糖値測定を行うこと。また低血糖が疑われる症状(脱力・倦怠感、発汗、冷感、意識障害、錯乱等)がみられた場合には、投与を中止し、必要に応じブドウ糖を投与すること。
5.循環不全による肝障害:本剤の心機能抑制作用及び催不整脈作用に起因する循環不全によって重篤な肝障害(トランスアミナーゼ、LDHの急激な上昇を特徴とするショック肝:0.1%未満)があらわれることがある。このような場合には、投与を中止し、早急にドパミンの投与等心機能改善のための処置を行うとともに、必要に応じ肝庇護療法など適切な処置を行うこと。なお、このような症例では、腎障害を伴うことがある。
6.肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.顆粒球減少、白血球減少、貧血、血小板減少:このような副作用(各0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
8.間質性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎(頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
発現部位等 0.1〜5%未満 0.1%未満
循環器注1) PQ延長、QRS幅延長、QTc延長、房室ブロック、脚ブロック、動悸 洞結節機能低下、徐脈、血圧低下
肝臓注2) AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇 Al-P上昇
泌尿器注3) 尿閉、排尿困難等の排尿障害
腎臓 BUN上昇、クレアチニン上昇
眼注3) 光視症、霧視等の視調節障害
過敏症注4) 発疹 紅斑、そう痒感
精神神経系 頭痛、頭重、めまい、ふらつき、眠気、振戦 立ちくらみ、幻覚
消化器 口渇、食欲不振、便秘、悪心、嘔吐、腹痛、腹部不快感 口内炎
その他 脱力感、倦怠感、冷汗 胸部圧迫感、息切れ、関節痛、鼻乾燥、インポテンス

[後文]
注1)定期的に心電図検査、血圧測定を行い異常な変動が観察された場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止すること。
注3)このような症状が発現した場合には、減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
注4)観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者では、肝・腎機能が低下していることが多く、また、体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすいので、定期的に心電図検査等を行い、PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。(「薬物動態」の項参照)

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験で母乳中へ移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]

【小児投与】

小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。(使用経験がない。)

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の投与により、ブロムフェノールブルー系試験紙法での尿蛋白検査では偽陽性を呈することがあるので、スルフォサリチル酸法を用いること。

【過量投与】

過量投与
症状:主として心電図の変化、特にQRS幅の著しい延長と心原性ショック等の心抑制症状の併発がみられる。また、腎不全があり、本剤の血中濃度が非常に高い場合は低血糖を起こしやすく、また、まれに筋無力症(呼吸筋を含む)を起こすおそれがある。
処置:心電図、呼吸、血圧の監視及び一般的維持療法を行う。
本剤は透析ではほとんど除去されないので、中毒時の治療法としては透析は有効ではない。
(1).催吐、胃洗浄
(2).過量投与の治療法としては、乳酸ナトリウムを必要に応じカリウムとともに持続注入する。
(3).心抑制症状に対しては必要に応じてドパミン、ドブタミン、イソプレナリン等の投与を行う。
(4).ブロックがあればペースメーカーを装着する。また、薬剤で効果がみられない心電図異常に対してはペースメーカーを装着するか電気ショックを行うなど必要に応じた処置を行う。
(5).低血糖がみられている場合は、ブドウ糖の投与を行う。

【適用上の注意】

適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
ケース等に表示(製造後5年)〔使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。〕

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg「サワイ」 50mg1錠 沢井製薬 21.80  
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg「タナベ」 50mg1錠 田辺三菱製薬 21.80  
シベンゾリンコハク酸塩錠50mg「トーワ」 50mg1錠 東和薬品 21.80  

※赤色は後発品

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