2 個々の器官系用医薬品
21 循環器官用薬
212 不整脈用剤
2129 その他の不整脈用剤

改訂年月( 201210 )
商品分類番号( 872129 )
JPNコード( JPNC051729 )
YJコード( 2129401A1070 )
厚労省コード( 2129401A1070 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 407.00 )


■リスモダンP静注50mg 50mg5mL1管 (サノフィ) 【注射】  
(般)ジソピラミドリン酸塩注射液

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【用法用量】   【使用上注意】   【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】

  【併用禁忌】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】

  【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【過量投与】   【適用上の注意】   【その他の注意】

  【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201210

【改訂種別】

「版数」
第18版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導障害が悪化し、完全房室ブロック、心停止を起こすおそれがある。]
2.重篤なうっ血性心不全のある患者[催不整脈作用により心室頻拍、心室細動を起こしやすい。]
3.スパルフロキサシン、モキシフロキサシン塩酸塩、トレミフェンクエン酸塩、アミオダロン塩酸塩(注射剤)又はフィンゴリモド塩酸塩を投与中の患者[「3.相互作用」の項(1)参照]
4.緑内障、尿貯留傾向のある患者[抗コリン作用により緑内障、尿閉を悪化させるおそれがある。]
5.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
ベンジルアルコール
添加物
D-ソルビトール

【組成】

組成
販売名 リスモダンP静注50mg リスモダンP静注50mg
成分 成分 1アンプル(5mL)中の分量
有効成分 局外規 ジソピラミドリン酸塩(ジソピラミドとして) 64.4mg(50mg)
添加物 ベンジルアルコール 50mg
添加物 D-ソルビトール 132mg


【性状】

性状
販売名 リスモダンP静注50mg
性状・剤形 無色澄明の液体(注射剤)
pH 4.0〜5.0
浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

【効能効果】

効能効果
緊急治療を要する下記不整脈:
期外収縮(上室性、心室性)
発作性頻拍(上室性、心室性)
発作性心房細・粗動

【用法用量】

用法用量
通常成人1回1〜2アンプル(ジソピラミドとして50〜100mg、1〜2mg/kg)を必要に応じてブドウ糖液などに溶解し、5分以上かけ緩徐に静脈内に注射する。年齢、症状により適宜増減する。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.心筋症、心筋炎、高度の心拡大のある患者[心不全をきたすおそれがある。]
2.刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者[刺激伝導障害が悪化するおそれがある。]
3.心房粗動のある患者[房室内伝導を促進することがある。]
4.うっ血性心不全の患者[心不全を悪化させるおそれがある。]
5.腎機能障害のある患者[本剤の排泄が遅延するおそれがある。]
6.肝機能障害のある患者[肝機能障害が悪化するおそれがある。]
7.治療中の糖尿病患者[低血糖を起こすおそれがある。]
8.重症筋無力症の患者[重症筋無力症を悪化させるおそれがある。]
9.血清カリウム低下のある患者[催不整脈作用の誘因となるおそれがある。]
10.高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.心電図の連続監視ができる場合にのみ使用すること。
2.頻回の血圧測定を行うこと。
3.投与中に血圧低下や新たな伝導障害等の異常な変動が観察された場合には、減量あるいは投与の中止等の適切な処置を行うこと。
4.本剤には陰性変力作用及びキニジン様作用があるので、十分に注意して投与すること。
5.高齢者、糖尿病、肝障害、透析患者を含む腎障害、栄養状態不良の患者では重篤な低血糖があらわれやすいので注意すること。特に透析患者を含む重篤な腎障害のある患者では、意識混濁、昏睡等の重篤な低血糖があらわれることがある。これらの患者に投与する場合は、投与後、血糖値その他患者の状態を十分観察すること。[「4.副作用」の項参照]
6.本剤には抗コリン作用があり、その作用に基づくと思われる排尿障害、口渇、複視等があらわれることがあるので注意して投与すること。
7.不整脈停止後の維持療法は、できるだけ速やかに経口投与に切り替えること。

【相互作用・その他】

相互作用
相互作用序文
本剤は、主として肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。[【薬物動態】の項参照]

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
スパルフロキサシン スパラ モキシフロキサシン塩酸塩 アベロックス トレミフェンクエン酸塩 フェアストン 心室性頻拍(Torsades de pointesを含む)、QT延長を起こすことがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
アミオダロン塩酸塩(注射剤) アンカロン注 Torsades de pointesを起こすことがある。 併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
フィンゴリモド塩酸塩 イムセラ ジレニア 併用によりTorsades de pointes等の重篤な不整脈を起こすおそれがある。 フィンゴリモド塩酸塩の投与により心拍数が低下するため、併用により不整脈を増強するおそれがある。


【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エリスロマイシン クラリスロマイシン 本剤の作用を増強させることがある。 エリスロマイシン、クラリスロマイシンは肝ミクロソームCYP3Aを阻害することが知られている。本剤はCYP3Aで代謝されるため、併用により本剤の代謝が抑制される。
β-遮断剤 アテノロール等 過度の心機能抑制作用があらわれることがある。 両剤の陰性変力作用と変伝導作用により相互に心機能抑制作用を増強するおそれがある。 アテノロールとの併用により本剤のクリアランスが減少すると考えられている。
フェニトイン 本剤の作用を減弱させ、代謝物による抗コリン作用が増強するおそれがある。 フェニトインにより肝代謝酵素の産生が誘導され、本剤の代謝が促進すると考えられている。
リファンピシン 本剤の作用を減弱させ、代謝物による抗コリン作用が増強するおそれがある。 リファンピシンにより肝代謝酵素の産生が誘導され、本剤の代謝が促進すると考えられている。
糖尿病用薬 インスリン スルホニル尿素系薬剤等 低血糖があらわれるおそれがある。 動物実験において本剤がインスリン分泌を促進するとの報告があり、併用によって血糖降下作用が増強される可能性がある。
バルデナフィル塩酸塩水和物 QT延長を起こすことがある。 QT延長を起こすことがあり、併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 セイヨウオトギリソウにより誘導された肝薬物代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
総症例2,543例中、138例(5.43%)166件に副作用が認められた。主な副作用は、心室頻拍、血圧低下、心室細動、房室ブロック、洞停止等の循環器系障害82件(3.22%)、口渇等の消化器系障害38件(1.49%)、排尿障害等の泌尿器系障害9件(0.35%)、肝機能障害5件(0.20%)等であった。(再審査終了時)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.心停止、心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、心室粗動、心房粗動、房室ブロック、洞停止、失神、呼吸停止、心房停止、心室性期外収縮、血圧低下:これらの症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.低血糖:低血糖(脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、嘔気、不安、意識障害(意識混濁、昏睡)等)があらわれることがある。低血糖症が認められた場合にはブドウ糖を投与するなど適切な処置を行うこと。(高齢者、糖尿病、肝障害、透析患者を含む腎障害、栄養状態不良の患者に発現しやすいとの報告がある。)
3.ショック:ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発現部位等 頻度不明 0.1〜5%未満 0.1%未満
循環器注2) 脚ブロック QRS幅増大 ブロックを伴う発作性心房性頻拍、PQ延長、QT延長
消化器 口渇注3)、嘔吐 口内異常感、便秘
肝臓注1) 黄疸 AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等
泌尿器注3) 尿閉、排尿障害 乏尿
精神神経系 頭痛、しびれ感
過敏症注1) 発疹等
その他 灼熱感 頸部異和感、倦怠感、胸部不快感

[後文]
注1)副作用が認められた場合には投与を中止すること。
注2)「2.重要な基本的注意」の項(3)参照
注3)「2.重要な基本的注意」の項(6)参照

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすいので用量に留意するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。また、男性の高齢者では、抗コリン作用による排尿障害があらわれやすいので注意すること。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.妊婦に投与した例において子宮収縮が起こったとの報告がある。
3.授乳中の婦人にやむを得ず投与する場合には、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において乳汁中への移行が報告されている。]

【小児投与】

小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]

【過量投与】

過量投与
本剤の過量投与により、呼吸停止、失神、致死的不整脈が起こり死亡することがある。過度のQRS幅増大及びQT延長、心不全悪化、低血圧、刺激伝導系障害、徐脈、不全収縮等の過量投与の徴候がみられた場合には適切な対症療法を行うこと。

【適用上の注意】

適用上の注意
投与準備時:本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭し、カットすることが望ましい。

【その他の注意】

その他の注意
本剤により心房細動・粗動から洞調律に回復したとき、塞栓を起こすことがある。その可能性が予測されるときにはヘパリンの併用が望ましい。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
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【同一成分一覧】

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