2 個々の器官系用医薬品
24 ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
245 副腎ホルモン剤
2451 エピネフリン製剤

改訂年月( 201109 )
商品分類番号( 872451 )
JPNコード( JPNC059365 )
YJコード( 2451400A1030 )
厚労省コード( 2451400A1013 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 92.00 )


■ボスミン注1mg 0.1%1mL1管 (第一三共) 【注射】  
(般)アドレナリン注射液

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【使用上注意】   【慎重投与】   【重要注意】

  【相互作用・その他】   【併用禁忌】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【過量投与】   【適用上の注意】

  【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201109

【改訂種別】

「版数」
第9版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.次の薬剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
(1).ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬
(2).イソプロテレノール等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない。)
2.狭隅角や前房が浅いなど眼圧上昇の素因のある患者(点眼・結膜下注射使用時)[閉塞隅角緑内障患者の発作を誘発することがある。]

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.交感神経作動薬に対し過敏な反応を示す患者[アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。]
3.動脈硬化症の患者[本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈や脳血管等の攣縮及び基質的閉塞があらわれるおそれがある。]
4.甲状腺機能亢進症の患者[甲状腺機能亢進症の患者では、頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。]
5.糖尿病の患者[肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。]
6.心室性頻拍等の重症不整脈のある患者[本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある。]
7.精神神経症の患者[一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある。]
8.コカイン中毒の患者[コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある。]

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
クロロブタノール
添加物
亜硫酸水素ナトリウム
添加物
塩化ナトリウム
添加物
塩酸

【組成】

組成
1アンプル中に次の成分を含有
販売名 有効成分 添加物
ボスミン注1mg アドレナリン(日局) 1mg/1mL(0.1w/v%) クロロブタノール 3mg、亜硫酸水素ナトリウム 0.5mg、塩化ナトリウム、塩酸


【性状】

性状
販売名 pH (日本薬局方) 浸透圧比 (生理食塩液対比) 外観
ボスミン注1mg 2.3〜5.0 約1 無色澄明の液

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

【効能効果】

効能・効果
1.下記疾患に基づく気管支痙攣の緩解
気管支喘息、百日咳
2.各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療
3.局所麻酔薬の作用延長
4.手術時の局所出血の予防と治療
5.心停止の補助治療
6.虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止

【用法用量】

用法・用量
〔気管支喘息及び百日咳に基づく気管支痙攣の緩解、各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧又はショック時の補助治療、心停止の補助治療〕:アドレナリンとして、通常成人1回0.2〜1mg(0.2〜1mL)を皮下注射又は筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
蘇生などの緊急時には、アドレナリンとして、通常成人1回0.25mg(0.25mL)を超えない量を生理食塩液などで希釈し、できるだけゆっくりと静注する。なお、必要があれば5〜15分ごとにくりかえす。
〔局所麻酔薬の作用延長〕:アドレナリンの0.1%溶液として、血管収縮薬未添加の局所麻酔薬10mLに1〜2滴(アドレナリン濃度1:10〜20万)の割合に添加して用いる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〔手術時の局所出血の予防と治療〕:アドレナリンの0.1%溶液として、単独に、又は局所麻酔薬に添加し、局所注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〔虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止〕:アドレナリンの0.1%溶液として、点眼するか又は結膜下に0.1mg(0.1mL)以下を注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔薬を投与中の患者[併用により心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられており、頻脈、心室細動等の発現の危険性が増大するおそれがある。](「相互作用」の項参照)
2.高血圧の患者[本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。]
3.肺気腫のある患者[肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。]
4.高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.心疾患のある患者[本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。]
6.脊椎麻酔を行う患者[局所麻酔薬に添加して用いる場合、脊髄への血液供給を妨げるおそれがある。]
7.小児等(「小児等への投与」の項参照)

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。
2.本剤はアナフィラキシーショックの救急治療の第一次選択剤であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること。
3.本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性・外傷性ショック時の使用は避けること。
4.本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。
5.過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること。
6.点眼・結膜下注射(眼領域)使用時には、隅角の所見が未確定のまま投与しないこと。また、全身症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗精神病薬 ブチロフェノン系薬剤 (セレネース、トロペロン等) フェノチアジン系薬剤 (ウインタミン等) イミノジベンジル系薬剤 (デフェクトン等) ゾテピン (ロドピン) リスペリドン (リスパダール) α遮断薬 本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。 これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。
イソプロテレノール等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬 プロタノール等 不整脈、場合により心停止があらわれることがある。 蘇生等の緊急時以外には併用しない。 これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。


【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ハロゲン含有吸入麻酔薬 ハロタン注1)、 イソフルラン注2)、 セボフルラン注3)、 デスフルラン注4) 頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。 これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
モノアミン酸化酵素阻害薬 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
三環系抗うつ薬 イミプラミン、 アミトリプチリン等 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI) ミルナシプラン等 その他の抗うつ薬 マプロチリン等 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。
メチルフェニデート 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。
分娩促進薬 オキシトシン等 バッカクアルカロイド類 エルゴタミン等 本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。 これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。
ジギタリス製剤 異所性不整脈があらわれることがある。 ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。
キニジン 心室細動があらわれることがある。 相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。
甲状腺製剤 チロキシン等 冠不全発作があらわれることがある。 甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。
非選択性β遮断薬 プロプラノロール等 血圧上昇、徐脈があらわれることがある。 β遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。
血糖降下薬 インスリン等 血糖降下薬の作用を減弱させることがある。 本剤の血糖上昇作用によると考えられている。
ブロモクリプチン 血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。 機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。
利尿剤 チアジド系利尿剤 トリクロルメチアジド、 ヒドロクロロチアジド等 チアジド系類似剤 インダパミド等 ループ利尿剤 フロセミド等 カリウム保持性利尿剤 スピロノラクトン 本剤の作用が減弱することがある。 手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。 併用により本剤の血管反応性を低下させることがある。

[後文]
注1)ハロタン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は2.1μg/kgと報告されている1)。
この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液25mLに相当する。
注2)イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている1)。
この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液80mLに相当する。
注3)セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg〜14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された2)。
アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。
注4)デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg〜13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された3)。
アドレナリン7.0μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。

【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
(再審査対象外)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
(頻度不明注1))
1.肺水腫(初期症状:血圧異常上昇):肺水腫があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.呼吸困難:呼吸困難があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.心停止(初期症状:頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶):心停止があらわれることがあるので、初期症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注1)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発現部位等 5%以上又は頻度不明注1) 0.1〜5%未満 0.1%未満
循環器 心悸亢進 胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・蒼白、血圧異常上昇
精神神経系 頭痛、めまい、不安、振戦
過敏症 過敏症状等
消化器 悪心・嘔吐
その他 熱感、発汗
点眼・結膜下注射(眼領域)使用時 長期連用時 眼瞼、結膜の色素沈着、鼻涙管の色素沈着による閉鎖注2) 無水晶体眼の患者への連用時 黄斑部の浮腫、微少出血、血管痙攣 結膜・眼瞼・目のまわり等の過敏症状、結膜充血、眼痛 長期連用時 角膜の色素沈着
点眼・結膜下注射(眼領域)使用時 全身症状注3)

[後文]
注1)自発報告又は海外において認められている副作用のため頻度不明。
注2)涙道洗浄により取り除くことができる。
注3)このような症状があらわれた場合は、投与を中止すること。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者では、本剤の作用に対する感受性が高いことがあるので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦、妊娠している可能性のある婦人又は産婦には投与しないことが望ましい。[胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある。]

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児では安全性が確立されていないため、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

【過量投与】

過量投与
1.ときに心室細動、脳出血等があらわれることがあるので注意すること。またアドレナリン受容体感受性の高い患者では、特に注意すること。
2.腎血管の異常収縮により、腎機能が停止するおそれがある。
3.血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.併用:本剤にて心肺蘇生時、炭酸水素ナトリウムとの混注は避けること。
2.静脈内投与時:静脈内に投与する場合には、血圧の異常上昇をきたさないよう慎重に投与すること。
3.点滴静注時:点滴静注で大量の注射液が血管外に漏出した場合、局所の虚血性壊死があらわれることがあるので注意すること。
4.局所麻酔薬添加時:局所麻酔薬に添加して用いる場合には、耳、指趾、又は陰茎に投与しないこと。
5.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
(1).注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
(2).くりかえし注射する場合には、左右交互に注射するなど、同一部位を避けること。なお、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意すること。
(3).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
6.点眼時:原則として患者は横臥位を取り、患眼を開瞼させ、結膜嚢内に点眼し、1〜5分間閉瞼し、涙嚢部を圧迫させた後開瞼する。
7.開封時:アンプルカット時の異物混入を避けるため、エタノール消毒綿等で清拭しカットすること。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温、遮光保存

【使用期限】

使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。

【同一成分一覧】

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