3 代謝性医薬品
33 血液・体液用薬
333 血液凝固阻止剤
3339 その他の血液凝固阻止剤

改訂年月( 201502 )
商品分類番号( 873339 )
JPNコード( JPNC064886 )
YJコード( 3339004F1029 )
厚労省コード( 3339004F1029 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 149.00 )


■エリキュース錠2.5mg 2.5mg1錠 (ブリストル・マイヤーズ||ファイザー) 【内用】  
(般)アピキサバン錠

  【改訂年月】   【改訂種別】   【警告】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】

  【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【過量投与】   【適用上の注意】

  【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201502

【改訂種別】

「版数」
第4版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【警告】

警告
本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず、本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。(「禁忌」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」、「過量投与」の項参照)

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.臨床的に問題となる出血症状のある患者[出血を助長するおそれがある。](「重要な基本的注意」の項参照)
3.血液凝固異常及び臨床的に重要な出血リスクを有する肝疾患患者[出血の危険性が増大するおそれがある。]
4.腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者[使用経験がない。]

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
無水乳糖
添加物
結晶セルロース
添加物
クロスカルメロースナトリウム
添加物
ラウリル硫酸ナトリウム
添加物
ステアリン酸マグネシウム
添加物
ヒプロメロース
添加物
乳糖水和物
添加物
酸化チタン
添加物
トリアセチン
添加物
黄色三二酸化鉄
識別コード
893
識別コード
2 1/2

【組成】

組成
エリキュース錠2.5mg:
エリキュース錠2.5mgは1錠中アピキサバン2.5mgを含有する。
なお、添加剤として、無水乳糖、結晶セルロース、クロスカルメロースナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン及び黄色三二酸化鉄を含有する。

【性状】

性状
エリキュース錠2.5mg:
製剤 性状 識別コード 外観 直径 厚さ 重さ
エリキュース錠2.5mg 黄色の円形のフィルムコーティング錠 893 (図略) (図略) (図略) 直径6.0mm 2.7mm 104mg

【色】
黄色
【剤形】
フィルムコーティング錠/錠剤/内用

【効能効果】

効能効果
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制

【用法用量】

用法用量
通常、成人にはアピキサバンとして1回5mgを1日2回経口投与する。
なお、年齢、体重、腎機能に応じて、アピキサバンとして1回2.5mg1日2回投与へ減量する。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg1日2回経口投与する。(「臨床成績」の項参照)
(1).80歳以上(「高齢者への投与」の項参照)
(2).体重60kg以下
(3).血清クレアチニン1.5mg/dL以上

【使用上注意】

使用上注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.出血のリスクが高い患者(先天性あるいは後天性出血性疾患、活動性の潰瘍性消化管疾患、細菌性心内膜炎、血小板減少症、血小板疾患、出血性脳卒中の既往、コントロール不良の重度の高血圧症、脳・脊髄・眼科領域の最近の手術歴等を有する患者)[出血の危険性が増大するおそれがある。]
2.重度の肝障害のある患者[使用経験がない。]
3.腎障害(クレアチニンクリアランス15〜50mL/min)のある患者[出血の危険性が増大するおそれがある。]
4.高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.低体重の患者[低体重の患者では出血の危険性が増大するおそれがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならないため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認すること。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。また、症状に応じて、適切な処置を行うこと。
2.患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合、医師に連絡するよう指導すること。
3.他の抗凝固剤と併用する場合には、出血の徴候を十分に観察しながら本剤を投与すること。(「相互作用」の項参照)
4.抗血小板薬との併用療法を必要とする患者においては、出血リスクが増大することに注意すること。これらの薬剤と本剤の併用の可否については、本剤との併用を開始する前に、リスクベネフィットを考慮して慎重に判断すること。抗血小板薬2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。(「相互作用」、「その他の注意」の項参照)
5.ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗剤の投与を中止し、PT-INRが2.0未満となってから本剤の投与を開始すること。
6.本剤からビタミンK拮抗剤(ワルファリン)に切り替える際には、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤とワルファリンを併用すること。
7.他の抗凝固剤(注射剤)から本剤に切り替える場合、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、本剤の投与を開始すること。ただし、抗凝固剤(ヘパリン等)の持続静注から切り替える場合は、持続静注中止と同時に本剤の投与を開始すること。
8.本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える場合は、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、切り替える薬剤の投与を開始すること。
9.待機的手術又は侵襲的手技を実施する患者では、患者の出血リスクと血栓リスクに応じて、本剤の投与を一時中止すること。出血に関して低リスク又は出血が限定的でコントロールが可能な手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも24時間以上の間隔をあけることが望ましい。また、出血に関して中〜高リスク又は臨床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも48時間以上の間隔をあけること。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。緊急を要する手術又は侵襲的手技を実施する患者では、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。
10.待機的手術、侵襲的手技等による抗凝固療法(本剤を含む)の一時的な中止は、塞栓症のリスクを増大させる。手術後は、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。
11.患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合には、気づいたときにすぐに1回量を服用し、その後通常どおり1日2回服用するよう指導すること。服用し忘れた場合でも一度に2回量を服用しないよう指導すること。

【相互作用・その他】

相互作用
相互作用序文
本剤は、主にCYP3A4/5によって代謝される。また、本剤はP-糖蛋白及び乳癌耐性蛋白(BCRP)の基質となる。(「薬物動態」の項参照)

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アゾール系抗真菌剤(フルコナゾールを除く) イトラコナゾール ボリコナゾール等 HIVプロテアーゼ阻害剤 リトナビル等 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤2.5mg1日2回投与を考慮すること、あるいは、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と考えられない患者には併用しないこと。(「薬物動態」の項参照) これらの薬剤の強力なCYP3A4及びP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。
マクロライド系抗菌薬 クラリスロマイシン エリスロマイシン等 フルコナゾール ナプロキセン ジルチアゼム 本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。(「薬物動態」の項参照) これらの薬剤のCYP3A4及びP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。
リファンピシン フェニトイン カルバマゼピン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 本剤の血中濃度が減少するおそれがある。(「薬物動態」の項参照) これらの薬剤又はセイヨウオトギリソウの強力なCYP3A4及びP-糖蛋白の誘導作用により、本剤の代謝及び排出が促進されると考えられる。
血小板凝集抑制作用を有する薬剤 アスピリン クロピドグレル硫酸塩 ジピリダモール チクロピジン塩酸塩 シロスタゾール オザグレルナトリウム等 抗血小板薬との併用は、出血リスクが増大することに注意すること。特に抗血小板薬2剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、併用すること。(「重要な基本的注意」、「その他の注意」の項参照) 本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
抗凝固剤 ワルファリンカリウム 未分画ヘパリン へパリン誘導体 低分子ヘパリン エノキサパリンナトリウム フォンダパリヌクスナトリウム ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩 アルガトロバン水和物等 血栓溶解剤 ウロキナーゼ t-PA等 非ステロイド性消炎鎮痛剤 ジクロフェナクナトリウム ナプロキセン等 これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある。このような場合には、患者の状態を十分に観察するなど注意すること。(「薬物動態」の項参照) 本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
非弁膜症性心房細動患者を対象とした第3相国際共同試験(日本人335例を含む総投薬症例数18,140例)において、9,088例に本剤が投与された。副作用が報告された症例は9,088例中2,524例(27.8%)であった。主な副作用は、鼻出血456例(5.0%)、血尿234例(2.6%)、挫傷151例(1.7%)、血腫129例(1.4%)、貧血103例(1.1%)であった。
日本人335例中160例に本剤が投与され、副作用が報告された症例は45例(28.1%)であった。主な副作用は、鼻出血11例(6.9%)、皮下出血8例(5.0%)、結膜出血4例(2.5%)、挫傷3例(1.9%)、皮下血腫3例(1.9%)、便潜血3例(1.9%)、血尿3例(1.9%)であった。
非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第2相試験(総症例218例)では、143例に本剤が投与された。副作用が報告された症例は143例中34例(23.8%)であった。主な副作用は、鼻出血5例(3.5%)、尿中血陽性3例(2.1%)であった。(承認時)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.出血:頭蓋内出血(頻度不明注))、消化管出血(0.7%)、眼内出血(0.3%)等の出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2.間質性肺疾患(頻度不明注)):間質性肺疾患があらわれることがあるので、観察を十分に行い、咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
副作用発現頻度は、承認時までの国内臨床試験及び国際共同臨床試験の日本人被験者の成績に基づき算出した。
注)国際共同臨床試験において副作用として特定された事象のうち海外においてのみ認められた副作用、又は自発報告からの副作用を頻度不明として記載した。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
発現部位等 1%以上 1%未満 頻度不明注)
免疫系障害 過敏症(皮疹等の薬物過敏症、アレルギー性浮腫等のアナフィラキシー反応等)
神経系障害 味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛 脳出血、頭蓋内又は脊髄内出血(硬膜下血腫及び脊髄血腫等)
眼障害 眼出血 眼充血
血管障害 血腫、腹腔内出血
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 鼻出血 喀血、咳嗽 気道出血(肺胞出血、喉頭出血、及び咽頭出血等)
胃腸障害 歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性 口腔内出血、便秘、腹部不快感、上腹部痛、血便排泄、下痢、逆流性食道炎 直腸出血、痔出血、後腹膜出血
肝胆道系障害 血中ビリルビン増加、γ-GTP増加 肝機能異常
腎及び尿路障害 血尿、尿中血陽性 尿中蛋白陽性
生殖系及び乳房障害 前立腺炎、膣出血 不正出血、尿生殖器出血
傷害、中毒及び処置合併症 挫傷 処置後出血 外傷性出血、切開部位出血
皮膚及び皮下組織障害 円形脱毛症、そう痒症、紫斑、膿疱性乾癬、顔面腫脹
その他 初期不眠症、疲労、血小板減少症、血中ブドウ糖変動、高尿酸血症、血中ブドウ糖増加、血中CK(CPK)増加 適用部位出血

[後文]
副作用発現頻度は、承認時までの国内臨床試験及び国際共同臨床試験の日本人被験者の成績に基づき算出した。
注)国際共同臨床試験において副作用として特定された事象のうち、海外においてのみ認められた副作用、又は自発報告からの副作用を頻度不明として記載した。

【高齢者投与】

高齢者への投与
一般に高齢者では腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。特に80歳以上の患者に対しては、腎機能低下(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)及び体重(60kg以下)に応じて本剤を減量すること。(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「薬物動態」の項参照)

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(マウス1)、ラット2)3)及びウサギ4))で胎児への移行が認められている。]
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている5)。]

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性及び有効性は確立していない。[使用経験がない。]

【過量投与】

過量投与
1.症状:本剤の過量投与により、出血リスクが増大する。
2.処置:本剤の抗凝固作用を中和する薬剤はない。出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、活性炭による処置を考慮すること。[外国人健康成人において、本剤20mgを経口投与後2及び6時間に活性炭を経口投与したとき、アピキサバンのCmaxは変化しなかったが、AUCは約50%及び27%低下し、消失半減期は活性炭非投与時の13.4時間から5.3及び4.9時間に短縮した6)。]
出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

【その他の注意】

その他の注意
日本人を含む急性冠症候群の患者(承認外効能・効果)を対象とした国際共同臨床試験において、本剤5mg1日2回群とプラセボ群の比較が行われたが、本剤群で臨床的に重要な出血の増加が認められたこと等から、試験は早期に中止となった。この試験ではほとんどの患者でアスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬の2剤との併用が行われていた7)。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
3年(使用期限の年月は外箱に記載されています。)

【同一成分一覧】

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