3 代謝性医薬品
39 その他の代謝性医薬品
399 他に分類されない代謝性医薬品
3999 他に分類されないその他の代謝性医薬品

改訂年月( 201412 )
商品分類番号( 873999 )
JPNコード( JPNC064223 )
YJコード( 3999425S8027 )
厚労省コード( 3999425S8027 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 6834.00 )


■ネスプ注射液30μgプラシリンジ 30μg0.5mL1筒 (協和発酵キリン) 【注射】  
(般)ダルベポエチンアルファ(遺伝子組換え)注射液

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【効能効果使用上注意】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】

  【重要注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】

  【妊産婦投与】   【小児投与】   【適用上の注意】   【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】

  【同一成分一覧】

【改訂年月】

201412

【改訂種別】

「版数」
第4版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂(効能・効果追加、他)

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又はエリスロポエチン製剤に過敏症の患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
ポリソルベート80
添加物
L-メチオニン
添加物
リン酸二水素ナトリウム
添加物
等張化剤
添加物
pH調節剤

【組成】

組成
ネスプ注射液30μgプラシリンジ:
1シリンジ(0.5mL)中に、下記の成分を含有する。
販売名 成分名・分量 成分名・分量 成分名・分量 成分名・分量
販売名 有効成分 有効成分 添加物 添加物
ネスプ注射液30μgプラシリンジ ダルベポエチン アルファ (遺伝子組換え) 30μg ポリソルベート80 0.025mg
ネスプ注射液30μgプラシリンジ ダルベポエチン アルファ (遺伝子組換え) 30μg L-メチオニン 0.075mg
ネスプ注射液30μgプラシリンジ ダルベポエチン アルファ (遺伝子組換え) 30μg リン酸二水素ナトリウム 1.19mg
ネスプ注射液30μgプラシリンジ ダルベポエチン アルファ (遺伝子組換え) 30μg 等張化剤
ネスプ注射液30μgプラシリンジ ダルベポエチン アルファ (遺伝子組換え) 30μg pH調節剤

本剤の有効成分ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)は、チャイニーズハムスター卵巣細胞で生産される。

【性状】

性状
ネスプ注射液30μgプラシリンジ:
販売名 pH 浸透圧比 性状
ネスプ注射液30μgプラシリンジ 6.0〜6.4 約1 (生理食塩液対比) 本品は無色澄明の液である。

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射
//徐放性製剤

【効能効果】

効能効果
腎性貧血
骨髄異形成症候群に伴う貧血

【効能効果使用上注意】

効能効果に関連する使用上の注意
【骨髄異形成症候群に伴う貧血】:
(1).IPSS注)によるリスク分類の中間-2リスク及び高リスクに対する有効性及び安全性は確立していない。
(2).臨床試験の対象となった患者における血清中エリスロポエチン濃度等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に適応患者の選択を行うこと。
注)International prognostic scoring system(国際予後スコアリングシステム)

【用法用量】

用法用量
【腎性貧血】:
<血液透析患者>:
[1].初回用量:
成人:通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回20μgを静脈内投与する。
小児:通常、小児にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回0.33μg/kg(最高20μg)を静脈内投与する。
[2].エリスロポエチン〔エポエチン アルファ(遺伝子組換え)、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)等〕製剤からの切替え初回用量:
成人:通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回15〜60μgを静脈内投与する。
[3].維持用量:
成人:貧血改善効果が得られたら、通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回15〜60μgを静脈内投与する。週1回投与で貧血改善が維持されている場合には、その時点での1回の投与量の2倍量を開始用量として、2週に1回投与に変更し、2週に1回30〜120μgを静脈内投与することができる。
小児:貧血改善効果が得られたら、通常、小児にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回5〜60μgを静脈内投与する。週1回投与で貧血改善が維持されている場合には、その時点での1回の投与量の2倍量を開始用量として、2週に1回投与に変更し、2週に1回10〜120μgを静脈内投与することができる。
なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、最高投与量は、1回180μgとする。
<腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者>:
[1].初回用量:
成人:通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回30μgを皮下又は静脈内投与する。
小児:通常、小児にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回0.5μg/kg(最高30μg)を皮下又は静脈内投与する。
[2].エリスロポエチン〔エポエチン アルファ(遺伝子組換え)、エポエチン ベータ(遺伝子組換え)等〕製剤からの切替え初回用量:
成人:通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回30〜120μgを皮下又は静脈内投与する。
小児:通常、小児にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回10〜60μgを皮下又は静脈内投与する。
[3].維持用量:
成人:貧血改善効果が得られたら、通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回30〜120μgを皮下又は静脈内投与する。2週に1回投与で貧血改善が維持されている場合には、その時点での1回の投与量の2倍量を開始用量として、4週に1回投与に変更し、4週に1回60〜180μgを皮下又は静脈内投与することができる。
小児:貧血改善効果が得られたら、通常、小児にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回5〜120μgを皮下又は静脈内投与する。2週に1回投与で貧血改善が維持されている場合には、その時点での1回の投与量の2倍量を開始用量として、4週に1回投与に変更し、4週に1回10〜180μgを皮下又は静脈内投与することができる。
なお、いずれの場合も貧血症状の程度、年齢等により適宜増減するが、最高投与量は、1回180μgとする。
【骨髄異形成症候群に伴う貧血】:
通常、成人にはダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回240μgを皮下投与する。なお、貧血症状の程度、年齢等により適宜減量する。

【用法用量使用上注意】

用法及び用量に関連する使用上の注意
【腎性貧血】:
貧血改善効果の目標値は学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
(1).小児の初回用量1):
<血液透析患者>:
通常、小児には下表を参考に、ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、週1回5〜20μgを静脈内投与する。
体重 本剤投与量
30kg未満 5μg
30kg以上40kg未満 10μg
40kg以上60kg未満 15μg
60kg以上 20μg

<腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者>:
通常、小児には下表を参考に、ダルベポエチン アルファ(遺伝子組換え)として、2週に1回5〜30μgを皮下又は静脈内投与する。
体重 本剤投与量
20kg未満 5μg
20kg以上30kg未満 10μg
30kg以上40kg未満 15μg
40kg以上60kg未満 20μg
60kg以上 30μg

(2).切替え初回用量:
下表を参考に、切替え前のエリスロポエチン製剤投与量から本剤の投与量及び投与頻度を決定し、切り替えること。
なお、小児に対して1回3μg/kgを超えて投与する場合、慎重に投与すること(小児に対して1回3μg/kgを超える使用経験はない)。
1).エリスロポエチン製剤が週2回あるいは週3回投与されている患者:
切替え前1週間のエリスロポエチン製剤投与量を合計し、下表を参考に本剤の初回用量を決定し、週1回から投与を開始する。
2).エリスロポエチン製剤が週1回あるいは2週に1回投与されている患者:
切替え前2週間のエリスロポエチン製剤投与量を合計し、下表を参考に本剤の初回用量を決定し、2週に1回から投与を開始する。
本剤投与量 本剤投与量
切替え前1週間あるいは2週間のエリスロポエチン製剤投与量の合計 (小児は切替え前2週間) 成人 小児
3,000IU未満 15μg 10μg
3,000IU 15μg 15μg
4,500IU 20μg 20μg
6,000IU 30μg 30μg
9,000IU 40μg 40μg
12,000IU 60μg 60μg

(3).投与量調整:
投与初期にヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値に適度な上昇がみられなかった場合や、維持投与期にヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が2週連続して目標範囲から逸脱した場合など、用量調整が必要な場合には、下表を参考に投与量を増減すること。なお、増量する場合には原則として1段階ずつ行うこと。
また、小児に対して1回3μg/kgを超えて投与する場合、慎重に投与すること(小児に対して1回3μg/kgを超える使用経験はない)。
[表題]

成人(皮下投与時)の投与量調整表


段階 本剤投与量
1 15μg
2 30μg
3 60μg
4 90μg
5 120μg
6 180μg

[表題]

成人(静脈内投与時)及び小児(皮下又は静脈内投与時)の投与量調整表


段階 本剤投与量
1 5μg
2 10μg
3 15μg
4 20μg
5 30μg
6 40μg
7 50μg
8 60μg
9 80μg
10 100μg
11 120μg
12 140μg
13 160μg
14 180μg

(4).投与間隔変更時:
[1].本剤の投与間隔を変更する際には、投与間隔を延長する前のヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を十分に観察し、同一の投与量でヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が安定した推移を示していることを確認した上で、週1回から2週に1回あるいは2週に1回から4週に1回に変更すること。変更後にはヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の推移を確認し、適宜調整を行うこと。
[2].1回あたり180μgを投与してもヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が目標範囲に達しない場合には、投与量を1/2とし、投与頻度を2週に1回から週1回あるいは4週に1回から2週に1回に変更すること。
【骨髄異形成症候群に伴う貧血】:
(1).他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
(2).必要以上の造血作用(ヘモグロビン濃度で11g/dL超を目安とする)を認めた場合等、減量が必要な場合には、その時点での投与量の半量を目安に減量すること。その後、ヘモグロビン濃度が低下し増量が必要となった場合(ヘモグロビン濃度で9g/dL未満を目安とする)には、その時点での投与量の倍量を目安に増量すること。ただし、最高投与量は、1回240μgとする。
(3).本剤を投与しても、十分な貧血改善効果が認められない場合、又は病勢の進行が認められた場合には、他の治療法への切替えを考慮すること。なお、本剤投与開始後16週時点を目安として、本剤の投与継続の要否を検討すること(「臨床成績」の項参照)。

【使用上注意】

使用上注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の患者、又はその既往歴を有し血栓塞栓症を起こすおそれのある患者[エリスロポエチン製剤において血液粘稠度が上昇するとの報告があり、血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがあるので観察を十分に行うこと]
2.高血圧症の患者[本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症があらわれるおそれがあるので観察を十分に行うこと]
3.薬物過敏症の既往歴のある患者
4.アレルギー素因のある患者

【重要注意】

重要な基本的注意
【腎性貧血】:
(1).本剤の投与は貧血症に伴う日常生活活動の支障が認められる患者に限定すること。なお、投与初期における投与対象は、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL(ヘマトクリット値で30%)未満を目安とし、活動性の高い比較的若年の血液透析患者、腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL(ヘマトクリット値で33%)未満を目安とする。
(2).本剤の投与に際しては、腎性貧血であることを確認し他の貧血症(失血性貧血、汎血球減少症等)には投与しないこと。
(3).ショック等の反応を予測するため十分な問診をすること。投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。また、投与開始から投与終了後まで、患者を安静な状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量を静脈内あるいは皮内に注入し、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい。
(4).腎性貧血の治療におけるヘモグロビン濃度に関連して、以下の臨床試験成績が報告されている。本剤投与中はヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を定期的に観察し、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にして、必要以上の造血作用(血液透析患者においてはヘモグロビン濃度で12g/dL超あるいはヘマトクリット値で36%超を目安とする)があらわれないように十分注意すること。
[1].心不全や虚血性心疾患を合併する血液透析患者において、目標ヘモグロビン濃度を14g/dL(ヘマトクリット値42%)に維持した群では、10g/dL(ヘマトクリット値30%)前後に維持した群に比べて死亡率が高い傾向が示されたとの報告がある2)。
[2].保存期慢性腎臓病患者における腎性貧血に対する赤血球造血刺激因子製剤による治療について、目標ヘモグロビン濃度を13.5g/dLに設定した患者では、11.3g/dLに設定した患者に比較して、有意に死亡及び心血管系障害の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある3)。
[3].2型糖尿病で腎性貧血を合併している保存期慢性腎臓病患者において、目標ヘモグロビン濃度を13.0g/dLに設定して赤血球造血刺激因子製剤が投与された患者とプラセボが投与された患者(ヘモグロビン濃度が9.0g/dLを下回った場合に赤血球造血刺激因子製剤を投与)を比較したところ、赤血球造血刺激因子製剤群ではプラセボ群に比較して有意に脳卒中の発現頻度が高いことが示されたとの報告がある4)。
(5).本剤投与開始時及び用量変更時には、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が目標範囲に到達し、安定するまでは週1回から2週に1回程度ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値を確認すること。必要以上の造血作用を認めた場合は、休薬等の適切な処置をとること。
(6).本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症が報告されているので、血圧、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値等の推移に十分注意しながら投与すること。特に、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値は徐々に上昇させるよう注意すること。また、本剤は持続型製剤であり、エリスロポエチン製剤と比較して造血作用が長時間持続する。臨床試験において投与中止後もヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値の低下に時間を要する症例が認められていることから、ヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値が回復するまで観察を十分に行うこと。
(7).本剤投与により抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤の使用中に貧血の改善がない、あるいは悪化する場合等は同疾患を疑い、赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止すること。また、エリスロポエチン製剤への切替えは避け、適切な処置を行うこと。
(8).本剤投与により高カリウム血症を認める場合があるので、食事管理を適切に行うこと。
(9).本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。
(10).血液透析患者においては、本剤投与によりシャントの閉塞や血液透析装置内の残血を認める場合があるので、シャントや血液透析装置内の血流量には十分注意すること。このような場合にはシャントの再造設、抗凝固剤の増量等の適切な処置をとること。
(11).保存期慢性腎臓病患者に対し本剤を用いる場合には次の事項を考慮すること。
[1].保存期慢性腎臓病患者においては水分の調節が困難であるので、水分量と電解質の収支及び腎機能並びに血圧等の観察を十分行うこと。
[2].慢性腎臓病の進展に伴い、本剤の貧血改善効果が減弱する可能性があるので、本剤投与中は血清クレアチニン濃度やクレアチニンクリアランス等の経過を適宜観察し、増量あるいは投与中止等の適切な処置をとること。
【骨髄異形成症候群に伴う貧血】:
(1).本剤は、血液疾患の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者にのみ投与すること。
(2).本剤の投与は貧血症に伴う日常生活活動の支障が認められる患者に限定し、輸血の回避、輸血依存からの離脱又は輸血量の減少を目的に使用すること。
(3).ショック等の反応を予測するため十分な問診をすること。投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。また、投与開始から投与終了後まで、患者を安静な状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。なお、投与開始時あるいは休薬後の初回投与時には、本剤の少量を皮内に注入し、異常反応の発現しないことを確認後、全量を投与することが望ましい。
(4).本剤投与中はヘモグロビン濃度を定期的に観察し、必要以上の造血作用(ヘモグロビン濃度で11g/dL超を目安とする)があらわれないように十分注意すること(「臨床成績」の項参照)。
(5).本剤投与開始時及び用量変更時には、ヘモグロビン濃度が安定するまでは週1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。必要以上の造血作用を認めた場合は、休薬等の適切な処置をとること。
(6).本剤投与により血圧上昇を認める場合があり、また、高血圧性脳症が報告されているので、血圧、ヘモグロビン濃度等の推移に十分注意しながら投与すること。
(7).本剤投与により抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、本剤の使用中に貧血の改善がない、あるいは悪化する場合等は同疾患を疑い、赤芽球癆と診断された場合には本剤の投与を中止すること。
(8).本剤の効果発現には鉄の存在が重要であり、鉄欠乏時には鉄剤の投与を行うこと。

【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
【腎性貧血】:
<成人>:
国内臨床試験において、1,462例中472例(32.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は血圧上昇248例(17.0%)、シャント血栓・閉塞44例(3.0%)、頭痛29例(2.0%)、倦怠感20例(1.4%)であった。[ネスプ注射液承認時]
<小児>:
国内臨床試験において、31例に副作用(臨床検査値異常を含む)は認められなかった。[小児用法追加承認時]
【骨髄異形成症候群に伴う貧血】:
骨髄異形成症候群患者を対象とした国際共同第II相試験において、安全性解析対象例52例(日本人31例を含む)中18例(34.6%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用は下痢2例(3.8%)、血中アルカリホスファターゼ増加2例(3.8%)、高尿酸血症2例(3.8%)、葉酸欠乏2例(3.8%)、頭痛2例(3.8%)、高血圧2例(3.8%)であった。[効能追加承認時]

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.脳梗塞(0.8%):脳梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2.脳出血(0.1%):脳出血があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.肝機能障害、黄疸(0.1%):ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.高血圧性脳症(頻度不明):高血圧性脳症があらわれることがあるので、血圧等の推移に十分注意しながら投与すること。
5.ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、咽頭浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.赤芽球癆(頻度不明):抗エリスロポエチン抗体産生を伴う赤芽球癆があらわれることがあるので、その場合は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.心筋梗塞、肺梗塞(頻度不明):心筋梗塞、肺梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
*頻度不明
発現部位等 1%以上 0.5〜1%未満 0.5%未満又は頻度不明
循環器 血圧上昇(16.2%) 不整脈 狭心症・心筋虚血、透析時低血圧、動悸、閉塞性動脈硬化症
皮膚 そう痒症、発疹
肝臓 肝機能異常(Al-P上昇、γ-GTP上昇、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン上昇) 胆嚢ポリープ
代謝 血清カリウム上昇、尿酸上昇、貯蔵鉄減少、血中リン上昇、食欲減退、二次性副甲状腺機能亢進症
血液 好酸球増多、血小板減少 リンパ球減少、白血球減少、白血球増多
腎臓・泌尿器 腎機能の低下(BUN、クレアチニンの上昇等) 血尿
消化器 腹痛、嘔気・嘔吐、胃炎、十二指腸炎
感覚器 頭痛、倦怠感 めまい、不眠症、味覚異常、感音性難聴
硝子体出血、結膜炎
その他 シャント血栓・閉塞、LDH上昇 透析回路内残血、筋骨格痛、シャント部疼痛、発熱、胸部不快感、浮腫、止血不良、糖尿病性壊疽、熱感・ほてり感*


【高齢者投与】

高齢者への投与
本剤の投与に際しては血圧及びヘモグロビン濃度あるいはヘマトクリット値等を頻回に測定し、投与量又は投与回数を適宜調節すること[一般に高齢者では生理機能が低下しており、また高血圧症等の循環器系疾患を合併することが多い]。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット及びウサギ)で胎児・出生児の発育の遅延が報告されている]。
2.授乳中の患者には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている]。

【小児投与】

小児等への投与
【腎性貧血】:
低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
【骨髄異形成症候群に伴う貧血】:
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与時:本剤を投与する場合は他剤との混注を行わないこと。
2.本剤を使用する際は、チップキャップを外し、必要に応じて適当な注射針等を取り付け投与すること。
3.使用後の残液は確実に廃棄すること。

【その他の注意】

その他の注意
1.がん化学療法又は放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより生存期間の短縮が認められたとの報告がある5)6)。
2.放射線療法による貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与することにより、腫瘍進展又は局所再発のリスクが増加したとの報告がある6)7)。
3.プラセボを投与されたがん化学療法による貧血患者注)に比べて赤血球造血刺激因子製剤の治療を受けた患者で血栓塞栓症の発現頻度が高いことが臨床試験にて示されたとの報告がある8)。
4.がん化学療法又は放射線療法を受けていないがんに伴う貧血患者注)に赤血球造血刺激因子製剤を投与した臨床試験で、プラセボを投与した患者に比べて死亡率が高いことが示されたとの報告がある9)。
注)これらの患者への投与は、本邦では承認外である。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
凍結を避け、遮光下2−8℃に保存

【使用期限】

使用期限
包装に表示の期限内に使用すること

【同一成分一覧】

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