4 組織細胞機能用医薬品
42 腫瘍用薬
422 代謝拮抗剤
4222 メトトレキサート系製剤

改訂年月( 201501 )
商品分類番号( 874222 )
JPNコード( JPNC014508 )
YJコード( 4222001F1027 )
厚労省コード( 4222001F1027 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 40.70 )


■メソトレキセート錠2.5mg 2.5mg1錠 (ファイザー) 【内用】  
(般)メトトレキサート錠

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【用法用量】   【使用上注意】   【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】

  【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】

  【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】   【過量投与】   【その他の注意】   【貯法】

  【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201501

【改訂種別】

「版数」
第12版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
2.肝障害のある患者[肝障害を増悪させるおそれがある。]
3.腎障害のある患者[本剤の排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。]
4.胸水、腹水等のある患者[胸水、腹水等に長時間貯留して毒性が増強されることがある。]

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
トウモロコシデンプン
添加物
部分アルファー化デンプン
添加物
乳糖水和物
添加物
ステアリン酸マグネシウム
添加物
pH調節剤
識別コード
LLM1
識別コード
LL
識別コード
M1

【組成】

組成
[表題]

1錠中


成分\販売名 メソトレキセート錠2.5mg
有効成分 日局 メトトレキサート 2.5mg
添加物 トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム、pH調節剤


【性状】

性状
販売名 外形 外形 外形 識別コード 色調等
販売名 上面 下面 側面 識別コード 色調等
メソトレキセート錠2.5mg (図略) (図略) (図略) LL M1 わずかにまだらをもつ淡黄褐色 割線入り 素錠
メソトレキセート錠2.5mg 直径 6.4mm 直径 6.4mm 厚さ 3.1mm LL M1 わずかにまだらをもつ淡黄褐色 割線入り 素錠

【色】
淡黄かっ色
【剤形】
素錠/錠剤/内用
//割線

【効能効果】

効能・効果
下記疾患の自覚的並びに他覚的症状の緩解:
急性白血病
慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病
絨毛性疾患(絨毛癌、破壊胞状奇胎、胞状奇胎)

【用法用量】

用法・用量
白血病:
メトトレキサートとして、通常、次の量を1日量として1週間に3〜6日経口投与する。
幼児:1.25〜2.5mg(1/2〜1錠)
小児:2.5〜5mg(1〜2錠)
成人:5〜10mg(2〜4錠)
絨毛性疾患:
1クールを5日間とし、メトトレキサートとして、通常、成人1日10〜30mg(4〜12錠)を経口投与する。
休薬期間は、通常、7〜12日間であるが、前回の投与によって副作用があらわれた場合は、副作用が消失するまで休薬する。
なお、いずれの場合でも年齢、症状により適宜増減する。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制を増悪させるおそれがある。]
2.感染症を合併している患者[骨髄機能抑制により感染を増悪させるおそれがある。]
3.水痘患者[致命的全身障害があらわれることがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.骨髄機能抑制、肝・腎機能障害等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査、尿検査等)を行うなど、患者の状態を十分観察すること。
異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。
2.出血性腸炎、消化管潰瘍・出血等の消化管障害があらわれることがあるので、口内炎、激しい腹痛、嘔吐、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、患者に対し、口内炎があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること。
3.感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意し、異常が認められたときには投与を中止し、適切な処置を行うこと。
また、患者に対し発熱、倦怠感があらわれた場合には、直ちに連絡するよう注意を与えること。
4.小児及び高齢者に投与する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に投与すること。
5.小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
6.本剤と放射線療法の併用により軟部組織壊死及び骨壊死の発現頻度が高まるという報告がある。併用治療を行う場合には当該症状の発現を考慮すること。また、併用治療後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
7.副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。[「その他の注意」の項参照]
8.免疫機能が抑制された患者への生ワクチン接種により、ワクチン由来の感染を増強又は持続させるおそれがあるので、本剤投与中に生ワクチンを接種しないこと。
9.B型又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対する本剤の投与により、重篤な肝炎や肝障害の発現が報告されており、死亡例が認められている。また本剤投与終了後にB型肝炎ウイルスが活性化することによる肝炎等の発現も報告されている。本剤投与に先立って、肝炎ウイルス感染の有無を確認すること。B型肝炎ウイルスキャリアの患者及び既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)又はC型肝炎ウイルスキャリアの患者に対し本剤を投与する場合、投与期間中及び投与終了後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型又はC型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
サリチル酸等の非ステロイド性抗炎症剤 メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 主として、非ステロイド性抗炎症剤の腎におけるプロスタグランジン合成阻害作用による腎血流量の低下及びナトリウム、水分貯留傾向のためメトトレキサートの排泄が遅延するためと考えられている。
スルホンアミド系薬剤 テトラサイクリン クロラムフェニコール フェニトイン バルビツール酸誘導体 メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 併用薬剤が血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの濃度を上昇させ、その毒性を増強させる。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 両薬剤の葉酸代謝阻害作用が協力的に作用するためと考えられている。
ペニシリン (ピペラシリンナトリウム等) プロベネシド メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 併用薬剤がメトトレキサートの腎排泄を競合的に阻害するためと考えられている。
シプロフロキサシン メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。
レフルノミド メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 併用により骨髄抑制等の副作用を増強するためと考えられている。
プロトンポンプ阻害剤 メトトレキサートの副作用(骨髄抑制、肝・腎・消化管障害、血液障害等)が増強されることがある。頻回に臨床検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、メトトレキサートの減量、休薬等適切な処置を行うこと。また、メトトレキサートの拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与すること。 機序は不明であるが、メトトレキサートの血中濃度が上昇することがある。
ポルフィマーナトリウム 光線過敏症を起こすことがある。 ポルフィマーナトリウムは光感受性を高める作用があるため、光線過敏症を起こしやすい薬剤の作用を増強する。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
メトトレキサート通常療法(本剤の効能・効果及び用法・用量に基づく療法)においては、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
(頻度不明)
1.ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(冷感、呼吸困難、血圧低下等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.骨髄抑制:汎血球減少、無顆粒球症(前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合がある)、白血球減少、血小板減少、貧血等の骨髄抑制、再生不良性貧血があらわれることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
3.感染症:呼吸不全にいたるような肺炎(ニューモシスティス肺炎等を含む)、敗血症、サイトメガロウイルス感染症、帯状疱疹等の重篤な感染症(日和見感染症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、抗生剤、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
4.劇症肝炎、肝不全:劇症肝炎、肝不全、肝組織の壊死・線維化、肝硬変等の重篤な肝障害(B型又はC型肝炎ウイルスによるものを含む)があらわれることがあるので、頻回に肝機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.急性腎不全、尿細管壊死、重症ネフロパチー:急性腎不全、尿細管壊死、重症ネフロパチー等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、頻回に腎機能検査を行うなど患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.間質性肺炎、肺線維症、胸水:間質性肺炎、肺線維症、胸水等があらわれ、呼吸不全にいたることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を行い、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
7.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群等の重篤な皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.出血性腸炎、壊死性腸炎:出血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、激しい腹痛、下痢等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9.膵炎:膵炎があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10.骨粗鬆症:骨粗鬆症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、骨塩量減少等の異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.脳症(白質脳症を含む):脳症(白質脳症を含む)があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
(1).メトトレキサート通常療法:
発現部位等 頻度不明
過敏症注1) 発疹、蕁麻疹、そう痒、発熱
血液 出血、低ガンマグロブリン血症、好酸球増多、リンパ節腫脹
肝臓 黄疸、脂肪肝、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇
腎臓 血尿、BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿
消化器 消化管潰瘍・出血、口内炎、腹痛、下痢、食欲不振、嘔気・嘔吐、メレナ、イレウス、舌炎、口唇腫脹
皮膚 光線過敏症注2)、紅斑、色素沈着、色素脱出、皮下斑状出血、ざ瘡、脱毛、結節、皮膚潰瘍
精神神経系 頭痛、眠気、目のかすみ、項部緊張、背部痛、しびれ感、味覚異常、意識障害、めまい、錯感覚
呼吸器 咳嗽、呼吸困難
生殖器 無精子症、卵巣機能不全、月経不全、流産
その他 膀胱炎、倦怠感、耳下腺炎、結膜炎、低蛋白血症、血清アルブミン減少、関節痛、動悸、胸部圧迫感、浮腫

[後文]
注1:投与を中止すること。
注2:投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者では腎機能等生理機能が低下していることが多く、メトトレキサートの排泄遅延により副作用があらわれやすいので、腎機能検査値に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[催奇形性を疑う症例報告があり、また、動物実験(マウス、ラット及びウサギ)で催奇形作用が報告されている。]
2.母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人には投与しないこと。

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児(1歳未満)に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
トリメトプリム(スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合剤)を併用した場合、2水素葉酸還元酵素(dihydrofolate reductase:DHFR)を用いたメトトレキサート濃度の測定で見かけ上高値を呈することがあるので注意すること。

【過量投与】

過量投与
徴候・症状:外国で過量投与時に報告された主な症状は血液障害及び消化管障害であった。また、重篤な副作用を発現し、致命的な経過をたどった症例が報告されている。
処置:過量投与したときは、すみやかに本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)を投与するとともに、本剤の排泄を促進するために水分補給と尿のアルカリ化を行うこと。本剤とホリナートカルシウムの投与間隔が長いほど、ホリナートカルシウムの効果が低下することがある。[「その他の注意」の項参照]

【その他の注意】

その他の注意
1.本剤を長期使用した患者あるいは本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、悪性リンパ腫、急性白血病、骨髄異形成症候群(MDS)等の二次発癌が発生したとの報告がある。
2.免疫機能が抑制された患者にワクチンを接種した場合、抗体反応の欠如が報告されている。
3.メトトレキサート通常療法で副作用が発現した場合には、適切な処置を行いながら、本剤の拮抗剤であるホリナートカルシウム(ロイコボリンカルシウム)をロイコボリンとして、通常、成人1回6〜12mgを6時間間隔で4回筋肉内注射する。あるいはロイコボリンとして、通常、成人1回10mgを6時間間隔で4回経口投与する。なお、過剰投与した場合には、投与した本剤と同量のロイコボリンを投与する。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
遮光保存、室温保存

【使用期限】

使用期限
最終年月を外箱等に記載

【同一成分一覧】

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