6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
611 主としてグラム陽性菌に作用するもの
6112 リンコマイシン系抗生物質製剤

改訂年月( 201402 )
商品分類番号( 876112 )
JPNコード( JPNC054366 )
YJコード( 6112401A2123 )
厚労省コード( 6112401A2123 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 601.00 )


■ダラシンS注射液600mg 600mg1管 (ファイザー) 【注射】  
(般)クリンダマイシンリン酸エステル注射液

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】   【重要注意】

  【相互作用・その他】   【併用禁忌】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【適用上の注意】   【貯法】

  【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201402

【改訂種別】

「版数」
第5版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分又はリンコマイシン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
ベンジルアルコール
添加物
pH調節剤

【組成】

組成
ダラシンS注射液600mg:
[表題]

1アンプル中


販売名 ダラシンS注射液600mg
成分\容量 4mL
有効成分 日局 クリンダマイシンリン酸エステル 600mg(力価)
添加物 ベンジルアルコール 37.8mg
添加物 pH調節剤


【性状】

性状
ダラシンS注射液600mg:
本剤は無色〜淡黄色澄明の水性注射液で、その溶液のpH及び浸透圧比は次のとおりである。
pH 6.0〜7.0
浸透圧比 約3(生理食塩液対比)

【色】
無色〜淡黄色澄明
【剤形】
水性注射剤/液剤/注射

【効能効果】

効能・効果
<適応菌種>:クリンダマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属、マイコプラズマ属
<適応症>:敗血症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎

【用法用量】

用法・用量
[点滴静脈内注射]:
通常、成人には、クリンダマイシンとして1日600〜1,200mg(力価)を2〜4回に分けて点滴静注する。
通常、小児には、クリンダマイシンとして1日15〜25mg(力価)/kgを3〜4回に分けて点滴静注する。
なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、成人では1日2,400mg(力価)まで増量し、2〜4回に分けて投与する。
また、小児では1日40mg(力価)/kgまで増量し、3〜4回に分けて投与する。
点滴静注に際しては、本剤300〜600mg(力価)あたり100〜250mLの日局5%ブドウ糖注射液、日局生理食塩液又はアミノ酸製剤等の補液に溶解し、30分〜1時間かけて投与する。
[筋肉内注射]:
通常、成人には、クリンダマイシンとして1日600〜1,200mg(力価)を2〜4回に分けて筋肉内注射する。
なお、症状により適宜増減する。

【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.高齢者及び衰弱患者、大腸炎等の既往歴のある患者[偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎があらわれるおそれがある(「重要な基本的注意」(1)の項参照)。]
2.肝障害のある患者[胆汁排泄のため、消失半減期が延長するおそれがある。]
3.腎障害のある患者[腎排泄は本剤の主排泄経路ではないが、消失半減期が延長するおそれがある。]
4.アトピー性体質の患者[重症の即時型アレルギー反応があらわれるおそれがある。]
5.重症筋無力症の患者[本剤は筋への直接作用により収縮を抑制するので、症状が悪化するおそれがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤の投与により、まれに発熱、腹痛、白血球増多、粘液・血液便を伴う激症下痢を主症状とする重篤な大腸炎で、内視鏡検査により偽膜斑等の形成をみる偽膜性大腸炎があらわれることがある。
発症後直ちに投与を中止しなければ電解質失調、低蛋白血症等に陥り、特に高齢者及び衰弱患者では予後不良となることがある。
したがって本剤の投与を考慮する場合には、次の注意が必要である。
(1).次の場合には投与しないことが望ましい。
[1].軽微な感染症
[2].他に有効な使用薬剤がある場合
(2).投与患者に対し、投与中又は投与後2〜3週間までに腹痛、頻回な下痢があらわれた場合には、直ちに医師に通知するよう注意すること。
また、症状が重篤な場合には輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと。
2.静脈内投与を行う場合は、用法・用量にしたがって希釈し、30分〜1時間かけて点滴静注すること。なお、急速静注は行わないこと。[心停止を来すおそれがある。]
3.本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
エリスロマイシン (エリスロシン等) 併用しても本剤の効果があらわれないと考えられる。 細菌のリボゾーム50S Subunitへの親和性が本剤より高い。


【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
末梢性筋弛緩剤 塩化スキサメトニウム 塩化ツボクラリン等 筋弛緩作用が増強される。 本剤は神経筋遮断作用を有する。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
調査症例数16,557例中、副作用発現症例は420例(2.54%)であり、副作用発現件数は延べ521件であった。その主なものは、発疹135件(0.82%)、下痢63件(0.38%)、ALT(GPT)の上昇43件(0.26%)、AST(GOT)の上昇34件(0.21%)等であった。(承認時までの調査及び市販後の使用成績調査の集計)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):ショックを起こすことがある。また、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等のアナフィラキシーを伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、血圧の維持、体液の補充管理、気道の確保等の適切な処置を行うこと。
2.偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、輸液、バンコマイシンの経口投与等の適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」(1)の項参照]
3.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)、剥脱性皮膚炎(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.薬剤性過敏症症候群1)(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
5.間質性肺炎(頻度不明)、PIE症候群(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6.心停止(頻度不明):急速な静注により心停止があらわれたとの報告がある。[「重要な基本的注意」(2)の項参照]
7.汎血球減少(頻度不明)、無顆粒球症(頻度不明)、血小板減少(0.01%):汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
8.肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9.急性腎不全(頻度不明):急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
発現部位等 0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
消化器 下痢、悪心・嘔吐 食欲不振、腹痛 舌炎
過敏症注1) 発疹、そう痒 紅斑、浮腫
血液注2) 好酸球増多 白血球減少、顆粒球減少
腎臓注3) BUNの上昇 クレアチニンの上昇、窒素血症、乏尿、蛋白尿
神経系 耳鳴、めまい
菌交代症注4) 口内炎 カンジダ症
注射部位 筋肉内投与による疼痛・硬結 静脈内投与による血栓性静脈炎、筋肉内投与による壊死・無菌膿瘍
その他 苦味 顔面のほてり、発熱、頭痛、倦怠感 腟炎、小水疱性皮膚炎、多発性関節炎

[後文]
注1:このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2:血液検査等の観察を十分に行うこと。
注3:定期的に腎機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。
注4:異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、慎重に投与すること。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.授乳婦:授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行する。]

【小児投与】

小児等への投与
1.未熟児、新生児に対する安全性は確立していないので、特に必要とする場合には慎重に投与すること。
2.未熟児に使用する場合には十分注意すること。[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、Gasping症候群が未熟児に発現したとの報告がある。本剤は添加物としてベンジルアルコールを含有している。]

【適用上の注意】

適用上の注意
本剤は用法・用量にしたがって、点滴静脈内投与又は筋肉内投与のみに使用すること。本剤の使用に際しては、以下の点に注意すること。
(1).静脈内投与時:急速静注は行わないこと。[「重要な基本的注意」(2)の項参照]
(2).筋肉内投与時:
[1].筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。同一部位への反復注射は行わないこと。特に未熟児、新生児、乳児、幼児、小児には注意すること。
[2].神経走行部位を避けること。
[3].注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
(3).アンプルカット時:アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
2年(最終年月をラベル・外箱等に記載)

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
クリダマシン注600mg 600mg1管 ニプロ 258.00 20160331
クリンダマイシン注射液600mg「タイヨー」 600mg1管 テバ製薬 258.00  
クリンダマイシンリン酸エステル注射液600mg「サワイ」 600mg1管 沢井製薬 258.00  
クリンダマイシンリン酸エステル注600mg「トーワ」 600mg1管 東和薬品 258.00  
クリンダマイシンリン酸エステル注600mg「F」 600mg1管 富士製薬工業 258.00  
クリンダマイシンリン酸エステル注射液600mg「NP」 600mg1管 ニプロ 258.00  
リンタシン注射液600mg 600mg1管 富士製薬工業 258.00 20160331

※赤色は後発品

▲TOP