6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6131 ペニシリン系抗生物質製剤

改訂年月( 201503 )
商品分類番号( 876131 )
JPNコード( JPNC046459 )
YJコード( 6131403P1027 )
厚労省コード( 6131403P1027 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 816.00 )


■ペントシリン静注用1gバッグ 1g1キット(生理食塩液100mL付) (富山化学工業|大正富山医薬品) 【注射】  
(般)静注用ピペラシリンナトリウムキット

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】

  【適用上の注意】   【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201503

【改訂種別】

「版数」
第11版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂(用法及び用量の変更に伴う改訂)

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.伝染性単核球症の患者〔ペニシリン系抗生物質の投与で発疹が出現しやすいという報告がある〕

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状

【組成】

組成
ペントシリン静注用1gバッグ:
ペントシリン静注用1gバッグは、薬剤部分と溶解液部分からなり、次の成分・分量を含有する。
販売名 販売名 ペントシリン静注用
販売名 販売名 1gバッグ
薬剤部分[上室] 成分 日局ピペラシリンナトリウム
薬剤部分[上室] 含量 1g(力価)
溶解液部分[下室] 溶解液部分[下室] 日局生理食塩液100mL (100mL中塩化ナトリウム0.9g含有)

[1].溶解時のNa含有量は下表のとおりである。
濃度 Na含有量
1g(力価)/100mL 日局生理食塩液 17.33mEq(398.5mg)


【性状】

性状
ペントシリン静注用1gバッグ:
販売名 販売名 ペントシリン静注用
販売名 販売名 1gバッグ
薬剤部分[上室] 色・製剤 白色の凍結乾燥品

(1).溶解時のpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
濃度 pH 浸透圧比注1)
1g(力価)/100mL 日局生理食塩液 4.5〜8.0 約1

[表脚注]


注1)浸透圧比:生理食塩液に対する比
【色】
白色
【剤形】
凍結乾燥剤/散剤/注射
/液剤/注射

【効能効果】

効能又は効果
<適応菌種>:
ピペラシリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、大腸菌、シトロバクター属、肺炎桿菌、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
<適応症>:
(1).敗血症
(2).急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染
(3).膀胱炎、腎盂腎炎
(4).胆嚢炎、胆管炎
(5).バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎
(6).化膿性髄膜炎

【用法用量】

用法及び用量
ピペラシリンナトリウムとして、通常、成人には、1日2〜4g(力価)を2〜4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1回4g(力価)を1日4回まで増量して静脈内に投与する。
通常、小児には、1日50〜125mg(力価)/kgを2〜4回に分けて静脈内に投与する。なお、難治性又は重症感染症には症状に応じて、1日300mg(力価)/kgまで増量して3回に分けて静脈内に投与する。ただし、1回投与量の上限は成人における1回4g(力価)を超えないものとする。

【用法用量使用上注意】

用法及び用量に関連する使用上の注意
1.高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。
2.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

【注射液の調製法】

注射液の調製法
ペントシリン静注用1gバッグ:
(1).投与に際して:
用時、添付の日局生理食塩液に溶解し、静脈内に点滴投与する。
<溶解操作方法>:
[1].使用直前に外袋を開封する。
(図略)
[2].溶解液部分を手で押して隔壁を開通させ、薬剤を完全に溶解させる。
1).薬剤部分と溶解液部分を交互に繰り返し押すと、溶解しやすくなる。
(図略)
[3].溶解を確認する。
上記操作後、ゴム栓部の汚染防止シールをはがして、輸液セットを装着する。
なお、溶解後は速やかに使用すること。

【使用上注意】

使用上注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
<ピペラシリンナトリウムに関する注意>:
(1).セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者〔ショックがあらわれるおそれがあるので、十分な問診を行うこと〕
(2).本人又は両親兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者〔アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすいので、十分な問診を行うこと〕
(3).高度の腎障害のある患者〔高い血中濃度が持続することがある(「薬物動態」の項参照)〕
(4).経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者〔食事摂取によりビタミンKを補給できない患者では、ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと〕
(5).出血素因のある患者〔出血傾向を助長するおそれがある〕
(6).肝障害のある患者〔血中濃度が持続するおそれがある〕
(7).高齢者〔「5.高齢者への投与」の項参照〕
<生理食塩液に関する注意>:
(1).心臓、循環器系機能障害のある患者〔水分やナトリウム貯留が生じやすく、浮腫等の症状を悪化させるおそれがある(「組成・性状」の項参照)〕
(2).腎障害のある患者〔高ナトリウム血症等の電解質異常を起こすおそれがある(「組成・性状」の項参照)〕

【重要注意】

重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
メトトレキサート1) メトトレキサートの排泄が遅延し、メトトレキサートの毒性作用が増強される可能性がある。 血中濃度モニタリングを行うなど注意すること。 腎尿細管分泌の阻害により、メトトレキサートの腎排泄を遅延させると考えられる。
抗凝血薬 ワルファリン等 血液凝固抑制作用を増強するおそれがあるので、出血傾向等に注意すること。 本剤の出血傾向や腸内細菌によるビタミンK産生抑制等により相加的に血液凝固抑制作用を増強させると考えられる。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
本剤での臨床試験等、副作用発現頻度が明確となる調査は実施していないが、本剤はペントシリン注射用、筋注用と有効成分が同一であるため、ペントシリン注射用、筋注用の調査結果について以下に示す。
承認時までの調査では、副作用(臨床検査値の変動を含む)は2,432例中148例(6.09%)であった。また、承認後4年間(1979年5月〜1983年8月)の使用成績調査では、19,884例中396例(1.99%)であった。
承認時及び承認後4年間の調査において、副作用は総症例22,316例中544例(2.44%)に認められ、発現件数は1,119件であった。その主なものは、発疹175件(0.78%)、AST(GOT)上昇152件(0.68%)、ALT(GPT)上昇143件(0.64%)、発熱120件(0.54%)、白血球減少66件(0.30%)等であった。
重症感染症患者を対象とした臨床試験において、成人(4g×4回/日、点滴静注)では、副作用は102例中44例(43.1%)に認められ、発現件数は54件であった。その主なものは、下痢17件(16.7%)、肝機能異常7件(6.9%)、γ-GTP上昇6件(5.9%)等であった。小児(100mg/kg×3回/日、点滴静注)では、副作用は21例中9例(42.9%)に認められ、発現件数は15件であった。その主なものは、下痢6件(28.6%)、ALT(GPT)上昇3件(14.3%)、AST(GOT)上昇2件(9.5%)等であった。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、そう痒等)(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.急性腎不全、間質性腎炎等の重篤な腎障害(頻度不明)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.汎血球減少症(頻度不明)、無顆粒球症(0.1%未満)、血小板減少(0.1%未満)、溶血性貧血(頻度不明)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等(頻度不明)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
7.横紋筋融解症(頻度不明)があらわれることがあるので、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
8.肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
発現部位等 0.1〜1.0%未満又は頻度不明 0.1%未満
過敏症 発熱、発疹、そう痒 浮腫、蕁麻疹、リンパ節腫脹
血液 顆粒球減少、好酸球増多 血小板減少、貧血
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、LDHの上昇 黄疸
消化器 悪心・嘔吐、下痢 食欲不振、腹痛
中枢神経 腎不全患者大量投与で痙攣等の神経症状注2)
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状 (低プロトロンビン血症、出血傾向等)注2) ビタミンB群欠乏症状 (舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他 頭痛、筋肉痛、しびれ

[後文]
注2)頻度不明

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(「薬物動態」の項参照)。
(1).高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2).高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦・産婦・授乳婦等への投与
1.妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2.母乳中への移行が報告されているので、授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること2)。

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の投与により、ベネディクト試薬等の還元法による尿糖検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与経路:本剤は点滴静脈内投与にのみ使用すること。
2.溶解後:
(1).本剤の使用にあたっては、完全に溶解したことを確認すること。
(2).溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも冷蔵庫中(約5℃)に保存し、24時間以内に使用すること。
(3).アミノグリコシド系抗生物質(トブラマイシン等)と配合すると、アミノグリコシド系抗生物質の活性低下をきたすので、本剤と併用する場合にはそれぞれ別経路で投与すること。
(4).残液は決して使用しないこと。
3.静脈内投与時:
(1).寒冷期には溶解液を体温程度に温めて使用すること。
(2).静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。

【その他の注意】

その他の注意
1.本剤の投与に際しては、定期的に血液検査、肝機能検査等を行うことが望ましい。
2.外国において嚢胞性線維症の患者で本剤の過敏症状の発現頻度が高いとの報告がある。
3.併用により、ベクロニウムの筋弛緩作用を延長させるとの報告がある。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
外箱及びラベルに表示の期限内に使用すること

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
ピペラシリンナトリウム点滴静注用バッグ1g「NP」 1g1キット(生理食塩液100mL付) ニプロ 585.00  

※赤色は後発品

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