6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6132 セフェム系抗生物質製剤

改訂年月( 201502 )
商品分類番号( 876132 )
JPNコード( JPNC022013 )
YJコード( 6132400G3023 )
厚労省コード( 6132400G3023 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1185.00 )


■パンスポリン静注用1gバッグS 1g1キット(生理食塩液100mL付) (武田薬品工業) 【注射】  
(般)セフォチアム塩酸塩キット

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】

  【適用上の注意】   【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201502

【改訂種別】

「版数」
第19版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.低張性脱水症の患者:5%ブドウ糖注射液添付のバッグGの場合[電解質を含まない糖液を投与すると脱水が増悪することがある。]

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合は慎重に投与すること)
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
L-アルギニン

【組成】

組成
パンスポリン静注用1gバッグS:
本剤は日本薬局方注射用セフォチアム塩酸塩である。
パンスポリン静注用1gバッグSは、1容器中にセフォチアム塩酸塩1g(力価)を含有する。パンスポリン静注用1gバッグSは注射剤本体(用時溶解)と溶解液(生理食塩液)からなり、次の成分・分量を含有する。
注射剤本体(用時溶解) 溶解液
1容器中 1容器中
1gバッグS セフォチアム塩酸塩1g(力価) 生理食塩液100mL

添加物:L-アルギニン712.7mg

【性状】

性状
パンスポリン静注用1gバッグS:
パンスポリン静注用1gバッグSは、白色〜淡黄色の粉末の製剤である。パンスポリン静注用1gバッグSは注射剤本体(用時溶解)と溶解液(生理食塩液)からなる。
<注射液のpHと浸透圧比>:本剤1g(力価)を100mL・生理食塩液に溶解した場合、浸透圧比(生理食塩液に対する比)は約1である。
【色】
白色〜淡黄色
【剤形】
粉末/散剤/注射
/液剤/注射

【効能効果】

効能効果
<適応菌種>:セフォチアムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア・レットゲリ、インフルエンザ菌
<適応症>:
敗血症
深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
骨髄炎、関節炎
扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染
膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)
腹膜炎
胆嚢炎、胆管炎
バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎
化膿性髄膜炎
中耳炎、副鼻腔炎

【用法用量】

用法用量
パンスポリン静注用1gバッグS:
通常、成人にはセフォチアム塩酸塩として1日0.5〜2g(力価)を2〜4回に分け、また、小児にはセフォチアム塩酸塩として1日40〜80mg(力価)/kgを3〜4回に分けて静脈内に注射する。なお、年齢、症状に応じ適宜増減するが、成人の敗血症には1日4g(力価)まで、小児の敗血症、化膿性髄膜炎等の重症・難治性感染症には1日160mg(力価)/kgまで増量することができる。静脈内注射に際しては、日局「注射用水」、日局「生理食塩液」又は日局「ブドウ糖注射液」に溶解して用いる。また、成人の場合は本剤の1回用量0.25〜2g(力価)を糖液、電解質液又はアミノ酸製剤等の補液に加えて、30分〜2時間で点滴静脈内注射を行うこともできる。なお、小児の場合は上記投与量を考慮し、補液に加えて、30分〜1時間で点滴静脈内注射を行うこともできる。また、バッグSは添付の生理食塩液側を手で圧し、隔壁を開通させ、セフォチアム塩酸塩を溶解した後、30分〜2時間で点滴静脈内注射を行う。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
1.高度の腎障害のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。(【薬物動態】の項参照)
2.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。

【注射液の調製法】

注射液の調製法と調製時の注意
パンスポリン静注用1gバッグS:
(1).バッグSにおける調製法
[1].溶解液部分を手で圧し、隔壁を開通させ、抗生剤部分と溶解液部分を交互に押して抗生剤を完全に溶解する。
(図略)
[2].溶解を確認する。
(図略)
(2).本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹があらわれることがあるので調製時に手の腫脹・そう痒・発赤、全身の発疹・そう痒、腹痛、悪心、嘔吐等の症状があらわれた場合には以後本剤との接触を避けること。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
全製剤共通:
(1).ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2).本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3).高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。](【薬物動態】の項参照)
(4).高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(5).経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
5%ブドウ糖注射液添付のバッグGの場合:
(1).カリウム欠乏傾向のある患者[ブドウ糖がカリウムと共に細胞内に取り込まれ、カリウム欠乏傾向を助長することがある。]
(2).糖尿病の患者[静脈内へのブドウ糖の投与により血糖値が急速に上昇する可能性がある。]
(3).尿崩症の患者[電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される。]
(4).腎不全の患者[電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される。]
生理食塩液添付のバッグSの場合:
(1).心臓、循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷により障害が悪化することがある。]
(2).腎障害のある患者[ナトリウムの貯留を助長することがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。1)
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤 フロセミド等 他のセフェム系抗生物質で併用による腎障害増強作用が報告されているので、併用する場合には腎機能に注意すること。 機序は不明であるが、利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられている。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
承認時までの調査では、2,132例(静注、点滴静注、筋注を含む)中123例(5.8%)に、製造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では32,284例(静注、点滴静注、筋注を含む)中1,369例(4.2%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.汎血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症(0.1%未満)、顆粒球減少(0.1〜5%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)、血小板減少(0.1〜5%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群(0.1%未満)等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.痙攣(頻度不明)等の中枢神経症状があらわれることがある。特に、腎不全患者にあらわれやすい。
(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
8.AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
発現部位等 0.1〜5%未満 0.1%未満
過敏症注2) 発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱 リンパ腺腫脹、関節痛
血液 貧血、好酸球増多
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)、AL-Pの上昇 LDH、γ-GTPの上昇
消化器 悪心、下痢 嘔吐、食欲不振、腹痛
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他 めまい、頭痛、倦怠感、しびれ感

[後文]
注2)このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1).高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2).高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
1.テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では、偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与経路:本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
2.投与方法:静脈内大量投与により、まれに血管痛、血栓性静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
3.溶解後:溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも8時間以内に使用すること。この場合、バイアル品では微黄色の溶液の色調が時間の経過とともに濃くなることがある。また、バッグS及びバッグGではわずかに微黄色の溶液の色調が時間の経過とともに濃くなることがある。
4.バッグS及びバッグGは、分割投与しないこと。
5.小児に点滴静脈内注射を行う際には、十分な血中濃度を得るために、30分〜1時間で投与を行うこと。

【その他の注意】

その他の注意
本剤の投与に際しては、定期的に肝機能、腎機能、血液等の検査を行うことが望ましい。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
セフォチアム静注用1gバッグ「日医工」 1g1キット(生理食塩液100mL付) 日医工 666.00  
セフォチアム塩酸塩点滴静注用1gバッグ「NP」 1g1キット(生理食塩液100mL付) ニプロ 666.00  

※赤色は後発品

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