6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6132 セフェム系抗生物質製剤

改訂年月( 201210 )
商品分類番号( 876132 )
JPNコード( JPNC046832 )
YJコード( 6132419G1025 )
厚労省コード( 6132419G1025 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1217.00 )


■ロセフィン点滴静注用1gバッグ 1g1キット(生理食塩液100mL付) (中外製薬) 【注射】  
(般)静注用セフトリアキソンナトリウム水和物キット

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】

  【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】   【過量投与】

  【適用上の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201210

【改訂種別】

「版数」
第19版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.高ビリルビン血症の未熟児、新生児(「小児等への投与」の項参照)

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状

【組成】

組成
ロセフィン点滴静注用1gバッグ:
販売名 ロセフィン点滴静注用1gバッグ ロセフィン点滴静注用1gバッグ
有効成分 (上室)日局セフトリアキソンナトリウム水和物 (下室)日局生理食塩液(溶解液)
含有量 (1バッグ中) 1g(力価) 日局生理食塩液100mL


【性状】

性状
ロセフィン点滴静注用1gバッグ:
販売名 ロセフィン点滴静注用1gバッグ ロセフィン点滴静注用1gバッグ
剤形 バッグ バッグ
剤形 (上室) 日局セフトリアキソンナトリウム水和物(粉末) (下室) 日局生理食塩液(溶解液)
性状 (上室;抗生剤部分) 白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。 (下室;溶解液部分) 無色澄明の液で、弱い塩味がある。

[表題]

<溶解後のpH及び浸透圧比>


製剤 溶解液 単位/容量 pH 浸透圧比注2)
1g(バッグ) 日局生理食塩液 1g(力価)/100mL 6.3〜6.9 1.1〜1.2

[表脚注]


注2)生理食塩液に対する比
【色】
白色〜淡黄白色
無色澄明
【剤形】
結晶性粉末/散剤/注射
/液剤/注射

【効能効果】

効能・効果
適応菌種:
(1).セフトリアキソンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、淋菌、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属(プレボテラ・ビビアを除く)
適応症:
(1).敗血症、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、子宮頸管炎、骨盤内炎症性疾患、直腸炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎

【用法用量】

用法・用量
ロセフィン点滴静注用1gバッグ:
(1).成人:
[1].通常、1日1〜2g(力価)を1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
[2].難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を4g(力価)まで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
[3].淋菌感染症については、下記の通り投与する。
1).咽頭・喉頭炎、尿道炎、子宮頸管炎、直腸炎:
通常、1g(力価)を単回静脈内注射又は単回点滴静注する。
2).精巣上体炎(副睾丸炎)、骨盤内炎症性疾患:
通常、1日1回1g(力価)を静脈内注射又は点滴静注する。
(2).小児:
[1].通常、1日20〜60mg(力価)/kgを1回又は2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
[2].難治性又は重症感染症には症状に応じて1日量を120mg(力価)/kgまで増量し、2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
(3).未熟児・新生児:
[1].通常、生後0〜3日齢には1回20mg(力価)/kgを1日1回、また、生後4日齢以降には1回20mg(力価)/kgを1日2回静脈内注射又は点滴静注する。
[2].難治性又は重症感染症には症状に応じて1回量を40mg(力価)/kgまで増量し、1日2回静脈内注射又は点滴静注する。ただし、生後2週間以内の未熟児・新生児には1日50mg(力価)/kgまでとする。
[点滴静注]:
点滴静注に際しては補液に溶解して用いる注3)。
注3)点滴静注を行う場合には、注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。
[バッグ品]:
バッグ品の投与に際しては、用時、添付の溶解液にて溶解し、静脈内に点滴注射する。
<溶解操作方法>:
[1].使用時に外袋を開封する。
(図略)
[2].本品を展開する。
(図略)
[3].溶解液部分を手で押して隔壁を開通させる。
この操作を2〜3回繰返して薬剤を完全に溶解する。
(図略)
[4].溶解を確認する。
開通確認シールをはがす。
(図略)
なお、溶解後は速やかに使用すること。

【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
バイアル品及びバッグ品共通:
(1).ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2).本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3).高度の腎障害のある患者[高度の腎機能障害患者は、本剤が過剰に蓄積する可能性があるので、血中濃度を頻回に測定できない場合には投与量が1g/日を超えないようにすること(【薬物動態】の項参照)。]
(4).経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、高齢者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
バッグ品(生理食塩液に関する注意):
(1).心臓、循環器系機能障害のある患者[循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ、症状が悪化するおそれがある。]
(2).腎障害のある患者[水分、塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
2.本剤を投与する場合は、カルシウムを含有する注射剤又は輸液と同時に投与しないこと。[国外において、新生児に本剤とカルシウムを含有する注射剤又は輸液を同一経路から同時に投与した場合に、肺、腎臓等に生じたセフトリアキソンを成分とする結晶により、死亡に至った症例が報告されている(「適用上の注意」の項参照)。]

【相互作用・その他】

相互作用

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤 フロセミド 等 類似化合物(他のセフェム系抗生物質)で併用による腎障害増強作用が報告されている。腎機能に注意すること。 機序は不明であるが、利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられる。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
承認時迄の調査及び承認時以降の調査15,149例において、副作用は662例(4.4%)に認められた。主な副作用は、AST(GOT)上昇240件(1.6%)、ALT(GPT)上昇239件(1.6%)、Al-P上昇92件(0.6%)、発疹87件(0.6%)、下痢81件(0.5%)等であった。(再審査終了時)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック(0.01%)、アナフィラキシー様症状(頻度不明):ショック症状を起こすことがあるので観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、呼吸困難、顔面浮腫等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血(以上頻度不明):汎血球減少、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(以上頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.急性腎不全(0.01%)、間質性腎炎(頻度不明):急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.偽膜性大腸炎(頻度不明):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(以上頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)(以上頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多を伴う間質性肺炎、肺好酸球増多症(PIE症候群)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8.胆石、胆嚢内沈殿物(以上頻度不明):セフトリアキソンを成分とする胆石、胆嚢内沈殿物が投与中あるいは投与後にあらわれ、胆嚢炎、胆管炎、膵炎等を起こすことがあるので、腹痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、速やかに腹部超音波検査等を行い、適切な処置を行うこと。なお、多くの症例は小児の重症感染症への大量投与例でみられている。
9.腎・尿路結石(頻度不明):セフトリアキソンを成分とする腎・尿路結石が投与中あるいは投与後にあらわれ、尿量減少、排尿障害、血尿、結晶尿等の症状や腎後性急性腎不全が起きたとの国外報告がある。このような症状が認められた場合には投与を中止し、速やかに適切な処置を行うこと。
10.意識障害(頻度不明):意識消失、意識レベルの低下等の意識障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。これらの意識障害は、高度腎障害患者での発現が多数報告されている。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。(頻度不明は※)
発現部位等 0.1%以上又は頻度不明 0.1%未満
過敏症注4) 発疹、蕁麻疹、発熱 発赤、そう痒、紅斑
血液注5) 好酸球増多 顆粒球減少、貧血、好塩基球増多、血小板増多、異常プロトロンビン
消化器 嘔気、下痢、軟便※ 嘔吐、腹痛、食欲不振
菌交代症 口内炎※、カンジダ症※
ビタミン欠乏症注6) ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向)※、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎)※
その他 頭痛、浮腫、心室性期外収縮

[後文]
注4)投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注5)定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注6)経口での食事摂取不良の患者、高齢者、衰弱している患者に投与する場合にあらわれやすいので観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1).高齢者では生理機能が低下していることが多い。
(2).高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には乳児等の状態を観察しながら慎重に投与すること。[ヒト母乳中へ低濃度移行することが報告されている(「小児等への投与」の項参照)。]

【小児投与】

小児等への投与
高ビリルビン血症の未熟児、新生児には投与しないこと。[in vitroの実験で、セフトリアキソンは他のセファロスポリン系薬剤と同様に血清アルブミンと結合しているビリルビンを遊離させることが報告されている。さらに未熟児、新生児は血液脳関門が未熟なため遊離ビリルビンが脳内へ移行し核黄疸をおこすおそれがある。]

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
1.テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

【過量投与】

過量投与
本剤は、腹膜透析や血液透析では除去されないので、過量投与した患者に対しては注意深く観察し対症療法を行うこと。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与速度:静脈内大量投与により、まれに血管痛、血栓性静脈炎、ほてり感、嘔気、嘔吐を起こすことがあるので注射速度はできるだけ遅くすること。また、点滴静注は30分以上かけて静脈内に注射すること。
2.調製方法:溶解後は速やかに使用すること。特にグルタチオン製剤、高濃度アミノ酸類の補液に溶解して使用の場合は留意のこと。点滴静注を行う場合には注射用水を用いないこと(溶液が等張にならないため)。
3.配合変化(輸液中での配合時):配合時には配合変化データを参照のこと1)2)3)4)5)6)。
(1).本剤はトブラマイシン、ベカナマイシン硫酸塩、ジベカシン硫酸塩との配合により混濁等の変化が認められるので、配合しないこと。
(2).カルシウムを含有する注射剤又は輸液との配合により混濁等の変化が認められたとの報告があるので、配合しないこと。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
遮光、室温保存、本剤は光、熱によって徐々に着色することがあるので、保存には注意すること

【使用期限】

使用期限
バッグ品−2年(外箱に表示の使用期限内に使用すること)

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
セフトリアキソンナトリウム点滴用1gバッグ「NP」 1g1キット(生理食塩液100mL付) ニプロ 793.00  
セフトリアキソンナトリウム点滴静注用バッグ1g「ファイザー」 1g1キット(生理食塩液100mL付) ファイザー 793.00  

※赤色は後発品

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