6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6132 セフェム系抗生物質製剤

改訂年月( 201502 )
商品分類番号( 876132 )
JPNコード( JPNC046483 )
YJコード( 6132426G3028 )
厚労省コード( 6132426G3028 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1814.00 )


■ファーストシン静注用1gバッグS 1g1キット(生理食塩液100mL付) (武田薬品工業) 【注射】  
(般)セフォゾプラン塩酸塩キット

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】

  【適用上の注意】   【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201502

【改訂種別】

「版数」
第14版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.低張性脱水症の患者(5%ブドウ糖注射液添付のバッグGの場合)[電解質を含まない糖液を投与すると脱水が増悪することがある。]

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
無水炭酸ナトリウム
添加物
塩化ナトリウム

【組成】

組成
ファーストシン静注用1gバッグS:
本剤は日本薬局方注射用セフォゾプラン塩酸塩である。
ファーストシン静注用1gバッグSは、注射剤本体(用時溶解)と溶解液からなり、次の成分・分量を含有する。
注射剤本体(用時溶解) 溶解液
1容器中 1容器中
1gバッグS セフォゾプラン塩酸塩1g(力価) 生理食塩液100mL

添加物:無水炭酸ナトリウム206mg、塩化ナトリウム120mg

【性状】

性状
ファーストシン静注用1gバッグS:
ファーストシン静注用1gバッグSは白色〜淡黄色の粉末の製剤である。
[表題]

<注射液のpHと浸透圧比>


単位・容量 pH 浸透圧比※
0.5g(力価)/注射用水10mL 7.5〜9.0 約2
1g(力価)/注射用水20mL 7.5〜9.0 約2
1g(力価)/生理食塩液100mL 7.5〜9.0 約1
1g(力価)/5%ブドウ糖注射液100mL 7.5〜9.0 約2

[表脚注]


※浸透圧比:生理食塩液に対する比
【色】
白色〜淡黄色
【剤形】
粉末/散剤/注射
/液剤/注射

【効能効果】

効能効果
<適応菌種>:
セフォゾプランに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属
<適応症>:
敗血症
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)
腹膜炎、腹腔内膿瘍
胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍
子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎
化膿性髄膜炎
眼窩感染、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼内炎(全眼球炎を含む)
中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎

【用法用量】

用法用量
ファーストシン静注用1gバッグS:
本剤の使用に際しては、投与開始後3日をめやすとしてさらに継続投与が必要か判定し、投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。さらに、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。
成人:通常、成人にはセフォゾプラン塩酸塩として1日1〜2g(力価)を2回に分けて点滴静脈内注射する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、難治性又は重症感染症には1日4g(力価)まで増量し、2〜4回に分けて投与する。
小児:通常、小児には1日40〜80mg(力価)/kgを3〜4回に分けて点滴静脈内注射する。
なお、難治性又は重症感染症には1日160mg(力価)/kgまで増量し、3〜4回に分けて投与する。化膿性髄膜炎には1日200mg(力価)/kgまで増量できる。ただし、成人における1日最大用量4g(力価)を超えないこととする。
新生児(低出生体重児を含む):通常、新生児(低出生体重児を含む)には1回20mg(力価)/kgを0日齢(生後24時間未満)は1日1〜2回、1(生後24時間以降)〜7日齢は1日2〜3回、8日齢以降は1日3〜4回点滴静脈内注射する。
なお、重症又は難治性感染症には1回40mg(力価)/kgまで増量できる。
<バッグの場合>:バッグSは生理食塩液側を手で圧し、隔壁を開通させ、セフォゾプラン塩酸塩を溶解した後、30分〜2時間かけて静脈内に点滴注射する。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
1.高度の腎障害(例えばクレアチニンクリアランス値:30mL/分以下等)のある患者には、投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。(【薬物動態】の項参照)
2.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。

【注射液の調製法】

注射液の調製法
ファ−ストシン静注用1gバッグS:
(1).バッグSにおける調製法:
[1].溶解液部分を手で圧し、隔壁を開通させ、抗生剤部分と溶解液部分を交互に押して抗生剤を完全に溶解する。
(図略)
[2].溶解を確認する。
(図略)

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
全製剤共通:
(1).ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2).本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3).高度の腎障害のある患者[本剤は主として腎臓から排泄されるため、高度の腎機能障害(例えばクレアチニンクリアランス値:30mL/分以下等)のある患者では高い血中濃度が持続することがある。](【薬物動態】の項参照)
(4).高度の肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。]
(5).高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
(6).経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
5%ブドウ糖注射液添付のバッグGの場合:
(1).カリウム欠乏傾向のある患者[ブドウ糖がカリウムと共に細胞内に取り込まれ、カリウム欠乏傾向を助長することがある。]
(2).糖尿病の患者[静脈内へのブドウ糖の投与により血糖値が急速に上昇する可能性がある。]
(3).尿崩症の患者[電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される。]
(4).腎不全の患者[電解質を含まない糖液の投与により水分のみが負荷される。]
生理食塩液添付のバッグSの場合:
(1).心臓、循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷により障害が悪化することがある。]
(2).腎障害のある患者[ナトリウムの貯留を助長することがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。1)
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
2.本剤投与前に感受性の確認が行えなかった場合、本剤投与開始後3日をめやすとして本剤に対する感受性を確認し、本剤投与が適正であるか判断すること。なお、本剤に感受性が認められない場合、速やかに他の薬剤に変更すること。
3.患者の状態などから判断して、7日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、発疹の出現や肝機能異常等の副作用に留意し、漫然とした継続投与は行わないこと。
4.新生児(低出生体重児を含む)に投与する場合は、日齢に応じた1日投与回数にすること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤 フロセミド等 他のセフェム系抗生物質で併用による腎障害増強作用が報告されているので、併用する場合には腎機能に注意すること。 機序は不明であるが、利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられている。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
承認時までの調査では、2,548例中447例(17.5%)に、製造販売後の使用成績調査(再審査終了時点)では、8,779例中738例(8.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。
以下の副作用は上記の調査あるいは自発報告等で認められたものである。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、眩暈、便意、耳鳴、発汗、喘鳴、呼吸困難、血管浮腫、全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1%未満)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.汎血球減少(0.1%未満)、無顆粒球症(0.1%未満)、顆粒球減少(0.1〜5%未満)、血小板減少(0.1〜5%未満)があらわれることがあり、また、他のセフェム系抗生物質で溶血性貧血があらわれることが報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(0.1%未満)があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群(0.1%未満)等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7.痙攣(頻度不明)等の中枢神経症状があらわれることがある。特に、腎不全患者にあらわれやすい。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
8.DIC(0.1%未満)があらわれることがある。
9.AST(GOT)、ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸(0.1%未満)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
発現部位等 5%以上 0.1〜5%未満 0.1%未満
過敏症注2) 発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒、発熱 リンパ腺腫脹、関節痛
血液 貧血、好酸球増多、血小板増多
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇 AL-P、LDH、γ−GTPの上昇
消化器 悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他 高カリウム血症、血清アミラーゼ上昇 頭痛、倦怠感

[後文]
注2)このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
次の点に注意し、高度の腎機能障害(例えばクレアチニンクリアランス値:30mL/分以下等)のある患者では、投与回数を1日1回に減ずるなど投与間隔等に留意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1).高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2).高齢者では腎機能が低下していることが多く、本剤は主として腎臓から排泄されるため、高度の腎機能障害(例えばクレアチニンクリアランス値:30mL/分以下等)のある患者では高い血中濃度が持続することがある。
(3).高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]

【小児投与】

小児等への投与
新生児(低出生体重児を含む)、特に0日齢では腎機能が未熟なため血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続するおそれがあるので日齢に応じた1日投与回数にすること。

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
1.テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与経路:本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
2.投与方法:静脈内大量投与により、まれに血管痛、血栓性静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
3.溶解後:溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも12時間以内に使用すること。
4.配合変化:本剤はブロムヘキシン塩酸塩製剤と配合すると配合直後に混濁が起こることがあり、ジフェンヒドラミン塩酸塩・臭化カルシウム製剤と配合すると1時間以内に混濁が起こることがあるので、これらの製剤との配合は避けること。また、フルオロウラシル製剤と配合すると2時間以内に、クリニタミン注と配合すると6時間以内に残存力価が90%以下になることがあるので、配合後は速やかに使用すること。
なお、本剤と他剤とを配合使用したとき、一般にpHが8以上では、力価の低下が促進されることがあるので、使用に際しては注意すること。
5.バッグS及びバッグGは、分割投与しないこと。

【その他の注意】

その他の注意
ときに尿やおむつが着色(赤色〜濃青色)することがある(代謝物による)。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存。開封後も光を遮り保存すること。

【使用期限】

使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること。(使用期限内であっても開封後はなるべく速やかに使用すること。)

【同一成分一覧】

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