6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6139 その他の主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

改訂年月( 201303 )
商品分類番号( 876139 )
JPNコード( JPNC063207 )
YJコード( 6139402G1039 )
厚労省コード( 6139402G1039 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1708.00 )


■フィニバックスキット点滴静注用0.25g 250mg1キット(生理食塩液100mL付) (塩野義製薬) 【注射】  
(般)点滴用ドリペネム水和物

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用禁忌】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【重大な副作用(類薬)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】

  【検査影響】   【適用上の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201303

【改訂種別】

「版数」
第13版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂(薬食安通知等に基づく使用上の注意の項の改訂)

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.バルプロ酸ナトリウムを投与中の患者[てんかんの発作が再発するおそれがある。(「相互作用」の項参照)]

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが,特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状

【組成】

組成
フィニバックスキット点滴静注用0.25g:
販売名 フィニバックスキット点滴静注用0.25g
成分・含量 1キット中 ドリペネム水和物0.25g(力価)


【性状】

性状
フィニバックスキット点滴静注用0.25g:
販売名 フィニバックスキット点滴静注用0.25g
性状・剤形 白色〜微黄褐白色の結晶性の粉末である。(注射剤)
pH 4.5〜6.0 2.5mg(力価)/mL生理食塩液
浸透圧比 〔生理食塩液に対する比〕 約1 2.5mg(力価)/mL生理食塩液
添付溶解液 1キット中 日局生理食塩液100mL

[表脚注]


キット:1つのプラスチック容器に隔壁を設けて,上室に薬剤,下室に溶解液を充てんした注射剤
【色】
白色〜微黄かっ白色
【剤形】
結晶性粉末/散剤/注射
/液剤/注射

【効能効果】

効能・効果
<適応菌種>:
ドリペネムに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属(エンテロコッカス・フェシウムを除く),モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,緑膿菌,アシネトバクター属,ペプトストレプトコッカス属,バクテロイデス属,プレボテラ属
<適応症>:
(1).敗血症,感染性心内膜炎
(2).深在性皮膚感染症,リンパ管・リンパ節炎
(3).外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
(4).骨髄炎,関節炎
(5).咽頭・喉頭炎,扁桃炎(扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍を含む)
(6).肺炎,肺膿瘍,膿胸,慢性呼吸器病変の二次感染
(7).複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),精巣上体炎(副睾丸炎)
(8).腹膜炎,腹腔内膿瘍
(9).胆嚢炎,胆管炎,肝膿瘍
(10).子宮内感染,子宮付属器炎,子宮旁結合織炎
(11).化膿性髄膜炎
(12).眼窩感染,角膜炎(角膜潰瘍を含む),眼内炎(全眼球炎を含む)
(13).中耳炎
(14).顎骨周辺の蜂巣炎,顎炎

【用法用量】

用法・用量
通常,成人にはドリペネムとして1回0.25g(力価)を1日2回又は3回,30分以上かけて点滴静注する。
なお,年齢・症状に応じて適宜増減するが,重症・難治性感染症には,1回0.5g(力価)を1日3回投与し,増量が必要と判断される場合に限り1回量として1.0g(力価),1日量として3.0g(力価)まで投与できる。
通常,小児にはドリペネムとして1回20mg(力価)/kgを1日3回,30分以上かけて点滴静注する。
なお,年齢・症状に応じて適宜増減するが,重症・難治性感染症には,1回40mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし,投与量の上限は1回1.0g(力価)までとする。

【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
1.高度の腎障害のある患者では,投与量を減らすか,投与間隔をあけるなど患者の状態を十分に観察し,慎重に投与すること。
腎機能障害患者への投与に際しては,下表を目安に投与量を調節すること。[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]
[表題]

腎機能正常者の1日投与量に対応するCcr別の1日投与量の目安


Ccr (mL/min) 腎機能正常者(70≦Ccr)の1日投与量に対応する1日投与量(力価) 腎機能正常者(70≦Ccr)の1日投与量に対応する1日投与量(力価) 腎機能正常者(70≦Ccr)の1日投与量に対応する1日投与量(力価) 腎機能正常者(70≦Ccr)の1日投与量に対応する1日投与量(力価)
Ccr (mL/min) 0.25g×2回 0.25g×3回 0.5g×3回 1.0g×3回
50≦Ccr<70 0.25g×2回 0.25g×2〜3回 0.5g×2〜3回 1.0g×2回※1
30≦Ccr<50 0.25g×2回 0.25g×2回 0.25g×3回又は0.5g×2回 0.5g×3回
Ccr<30 0.25g×2回※2 0.25g×2回※2 0.25g×2回※2 0.25g×3回※2

[表脚注]


Ccr:クレアチニンクリアランス ※1:1.0g×3回投与は避けることが望ましい。 ※2:低体重患者では安全性に留意し,慎重に投与すること。
2.本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
3.本剤の使用に際しては,投与開始後3日を目安として更に継続投与が必要か判定し,投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと。

【注射液の調製法】

注射液の調製方法
1.フィニバックスキット点滴静注用0.25g(力価):
溶解液(日局生理食塩液)部分を手で押して隔壁を開通させ,更に溶解液部分を繰り返し押して薬剤を完全に溶解する。(詳しい溶解方法については,キット製品の外袋及びカバーシートに記載の溶解操作方法を参照のこと。)

【使用上注意】

使用上注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.ドリペネムに関する注意:
(1).カルバペネム系,ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2).本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
(3).高度の腎障害のある患者[血中からの消失が遅延する。また,痙攣,意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。(「用法・用量に関連する使用上の注意」,「重大な副作用」及び「薬物動態」の項参照)]
(4).肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
(5).経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
(6).高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
(7).てんかんの既往歴あるいは中枢神経障害を有する患者[痙攣,意識障害等の中枢神経症状が起こりやすい。(「重大な副作用」の項参照)]
2.生理食塩液に関する注意:
(1).心臓,循環器系機能障害のある患者[ナトリウムの負荷及び循環血液量を増すことから心臓に負担をかけ,症状が悪化するおそれがある。]
(2).腎障害のある患者[水分,塩化ナトリウムの過剰投与に陥りやすく,症状が悪化するおそれがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤によるショック,アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意深く観察すること。
2.発疹等の副作用の発現には特に注意し,症状が発現した時には,他剤に切り替えるなど適切な処置を講じること。なお,継続使用にあたっても,引き続き副作用症状に注意すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム デパケン,バレリン,ハイセレニン等 バルプロ酸の血中濃度が低下し,てんかんの発作が再発するおそれがある。 機序は不明


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
<成人>:承認時における安全性評価対象例835例中,副作用は37例(4.4%)に認められた。主なものは,下痢6例(0.7%),発疹5例(0.6%)であった。また,臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例818例中,195例(23.8%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇102例/806例(12.7%),AST(GOT)上昇78例/807例(9.7%)であった。
重症・難治性感染症患者を対象とした1回1.0g(力価)1日3回投与による臨床試験の安全性評価対象例101例中,臨床検査値異常を含む副作用は42例(41.6%)に認められた。主なものは,ALT(GPT)上昇14例(13.9%),AST(GOT)上昇13例(12.9%),γ-GTP上昇9例(8.9%),下痢9例(8.9%),Al-P上昇7例(6.9%)であった。
<小児>:承認時における安全性評価対象例107例中,臨床検査値異常を含む副作用は30例(28.0%)に認められた。主なものは,下痢14例(13.1%),血小板増多6例(5.6%),ALT(GPT)上昇6例(5.6%)であった。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック,アナフィラキシー(頻度不明):ショック,アナフィラキシーを起こすことがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2.偽膜性大腸炎(0.1〜1%):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.肝機能障害,黄疸(頻度不明):肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4.急性腎不全(頻度不明):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
5.汎血球減少症,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少(頻度不明):汎血球減少症,無顆粒球症,白血球減少,血小板減少があらわれることがあるので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
6.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
7.間質性肺炎(頻度不明):間質性肺炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,発熱,咳嗽,呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し,間質性肺炎が疑われる場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
8.痙攣,意識障害(頻度不明):痙攣,意識障害等の中枢神経症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し,適切な処置を行うこと。特に腎障害や,脳血管障害等の中枢神経障害のある患者に起こりやすいので,投与する場合には注意すること。

【重大な副作用(類薬)】

重大な副作用
1.溶血性貧血:他のカルバペネム系抗生物質で,溶血性貧血があらわれることが報告されているので,定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2.肺好酸球増加症(PIE症候群):他のカルバペネム系抗生物質で,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う肺好酸球増加症(PIE症候群)があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3.血栓性静脈炎:他のカルバペネム系抗生物質で,血栓性静脈炎があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用があらわれた場合には,必要に応じて,減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発現部位等 5%以上 0.5〜5%未満 0.5%未満 頻度不明
過敏症注1 発疹 そう痒,発熱,発赤,蕁麻疹
血液 顆粒球減少,血小板増多,好酸球増多 貧血(赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少),血小板減少,好塩基球増多
肝臓 AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇 LDH上昇,Al-P上昇,γ-GTP上昇,LAP上昇,ビリルビン上昇
腎臓 BUN上昇 血清クレアチニン上昇
消化器 下痢 嘔気,嘔吐,胃不快感,腹痛 食欲不振
精神神経系 しびれ感,振戦
菌交代症 口内炎 カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
その他 血清カリウム上昇 頭痛,けん怠感,ほてり,注射部位血管痛 電解質異常(血清カリウム,血清ナトリウム,血清クロール)

[後文]
注1:症状があらわれた場合には投与を中止すること。

【高齢者投与】

高齢者への投与
1.本剤は腎排泄型の薬剤であり,高齢者では一般に生理機能が低下していることが多いので,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
2.高齢者では,ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.投与中は授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。]

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児,新生児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
1.テステープ反応を除くベネディクト試薬,フェーリング試薬,クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
3.ウロビリノーゲン検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与経路:本剤は点滴静脈内注射にのみ使用すること。
2.調製方法:通常,生理食塩液100mLを用いて,よく振盪して溶解する。注射用水は溶液が等張とならないため使用しないこと。また,L-システイン及びL-シスチンを含むアミノ酸製剤と配合すると,著しく力価が低下するので,配合しないこと。
3.調製時:
(1).調製後は速やかに使用すること。なお,やむを得ず保存を必要とする場合でも日局生理食塩液に溶解した場合,室温保存では8時間以内に,冷蔵庫保存では24時間以内に使用すること。(「取扱い上の注意」の項参照)
(2).キット製品の場合は残液は決して使用しないこと。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存(「取扱い上の注意」の項参照)

【使用期限】

使用期限
外箱等に表示

【同一成分一覧】

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