6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6139 その他の主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

改訂年月( 201506 )
商品分類番号( 876139 )
JPNコード( JPNC018346 )
YJコード( 6139503D2023 )
厚労省コード( 6139503D2023 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1484.00 )


■カルベニン点滴用0.5g 500mg1瓶 (第一三共) 【注射】  
(般)注射用パニペネム・ベタミプロン

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用禁忌】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【重大な副作用(類薬)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】

  【検査影響】   【適用上の注意】   【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201506

【改訂種別】

「版数」
第11版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.バルプロ酸ナトリウム投与中の患者(「相互作用」の項参照)

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
塩化ナトリウム
添加物
pH調節剤

【組成】

組成
カルベニン点滴用0.5g:
1バイアル中に次の成分を含有:
販売名 有効成分 添加物
カルベニン点滴用0.5g パニペネム(日局)500mg(力価)、ベタミプロン(日局)500mg 塩化ナトリウム、pH調節剤


【性状】

性状
カルベニン点滴用0.5g:
用時溶解して用いる凍結乾燥注射剤である。
販売名 pH注) 浸透圧比注) (生理食塩液対比) 外観
カルベニン点滴用0.5g 5.8〜7.8 約1 上層;微帯黄白色〜黄褐色の塊又は粉末を含む塊 下層;白色の塊又は粉末を含む塊

[表脚注]


注)本剤1バイアルを生理食塩液100mLに溶解時
【色】
微帯黄白色〜黄かっ色
白色
【剤形】
凍結乾燥剤/散剤/注射

【効能効果】

効能効果
<適応菌種>:
パニペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、シュードモナス属、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属
<適応症>:
敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、眼窩感染、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎

【用法用量】

用法用量
成人には通常、パニペネムとして1日1g(力価)を2回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症又は難治性感染症には、1日2g(力価)まで増量し2回に分割し投与することができる。ただし、成人に1回1g(力価)投与する場合は60分以上かけて投与すること。
小児には通常、パニペネムとして1日30〜60mg(力価)/kgを3回に分割し、30分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症又は難治性感染症には、1日100mg(力価)/kgまで増量し3〜4回に分割して投与できる。ただし、投与量の上限は1日2g(力価)までとする。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
本剤の使用にあたっては、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。[耐性菌の発現等を防ぐため。]

【注射液の調製法】

注射液の調製法
カルベニン点滴用0.5g:
カルベニン点滴用0.5gを通常100mL以上の生理食塩液、5%ブドウ糖注射液等に溶解する。ただし、注射用水は溶液が等張とならないので使用しないこと。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.カルバペネム系、ペニシリン系又はセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
2.本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
3.高度の腎障害のある患者[痙攣、意識障害等の中枢神経障害が起こりやすい。]
4.肝障害のある患者[肝障害が悪化するおそれがある。]
5.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
6.高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

【重要注意】

重要な基本的注意
本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
バルプロ酸ナトリウム デパケン、 バレリン、 ハイセレニン等 バルプロ酸の血中濃度が低下し、てんかんの発作が再発することがある。 肝臓において、本剤がバルプロ酸のグルクロン酸抱合代謝を亢進すると考えられている。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
総症例20,258例中副作用(臨床検査値異常を含む)が報告されたのは2,119例(10.46%)で、その主なものはALT(GPT)上昇(3.24%)、AST(GOT)上昇(2.97%)、好酸球増多(1.13%)、ALP上昇(0.98%)、γ-GTP上昇(0.86%)、LDH上昇(0.82%)等であった。〔再審査終了時〕

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック(0.01%未満)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシー(不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等)を起こすことがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.中毒性表皮壊死融解症(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.急性腎不全(0.1%未満):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.痙攣(0.1%未満)、意識障害(0.01%未満):痙攣、意識障害等の中枢神経症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に腎障害や中枢神経障害のある患者に起こりやすいので、投与する場合には注意すること。
5.偽膜性大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(初期症状:腹痛、頻回の下痢)があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.肝障害(0.1%未満):劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7.無顆粒球症(0.01%未満)、汎血球減少症(0.01%未満)、溶血性貧血(0.01%未満):無顆粒球症、汎血球減少症、溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.間質性肺炎(0.01%未満)、PIE症候群(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

【重大な副作用(類薬)】

重大な副作用
血栓性静脈炎:他のカルバペネム系抗生物質において、血栓性静脈炎があらわれることがある。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
発現部位等 0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症注1) 発疹、発熱 そう痒、蕁麻疹
血液注2) 貧血、好酸球増多、白血球減少、血小板増多、血小板減少 好塩基球増多、顆粒球減少
肝臓注2) AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、γ-GTP上昇、ALP上昇、LDH上昇、LAP上昇、肝機能障害 尿ウロビリノーゲン上昇、黄疸
腎臓 BUN上昇、血清クレアチニン上昇 クレアチニンクリアランス低下
消化器 下痢、嘔気 嘔吐、食欲不振
菌交代症 口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他注1) 浮腫、頭痛

[後文]
注1)症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注2)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者とそれ以外の成人では副作用に差がみられなかったが、高齢者には次の点に注意して投与すること。
(1).本剤は腎排泄型薬剤であるので、高齢者では血中濃度が高く推移する傾向にある。
(2).類薬で、高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれるとの報告がある。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない。

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
1.テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2.直接クームス試験陽性を呈することがある。
3.ウロビリノーゲンの測定では、本剤が採尿後時間の経過とともに茶色に着色し、測定に影響を及ぼす可能性があるので3時間以内に測定すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
調製後:溶解後は速やかに使用すること。本剤溶解時、溶液は無色から微黄色澄明を呈するが、色の濃淡は本剤の効力には影響しない。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも室温保存で6時間以内に使用すること。

【その他の注意】

その他の注意
1.本剤投与患者において、パニペネムが分解され、尿が茶色を呈することがある。
2.本剤の配合剤であるパニペネムで、モルモット皮下投与のみにPCA反応と全身アナフィラキシー反応に陽性例が認められた1)。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。

【同一成分一覧】

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