6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
613 主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの
6139 その他の主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの

改訂年月( 201406 )
商品分類番号( 876139 )
JPNコード( JPNC051570 )
YJコード( 6139504G1028 )
厚労省コード( 6139504G1028 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1273.00 )


■ユナシン−Sキット静注用1.5g (1.5g)1キット(生理食塩液100mL付) (ファイザー) 【注射】  
(般)静注用スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウム

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【原則禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【検査影響】

  【過量投与】   【適用上の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201406

【改訂種別】

「版数」
第7版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分によるショックの既往歴のある患者
2.伝染性単核症の患者[アンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告がある。]

【原則禁忌】

原則禁忌(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
本剤の成分又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状

【組成】

組成
ユナシン-Sキット静注用1.5g:
[表題]

1キット中


成分\販売名 ユナシン-Sキット静注用1.5g
上室 有効成分 日局 スルバクタムナトリウム 0.5g(力価) 日局 アンピシリンナトリウム 1g(力価)
下室 溶解液 日局 生理食塩液 100mL

[表脚注]


1つのプラスチック容器に隔壁を設けて、上室に粉末抗生物質、下室に溶解液(生理食塩液)を充填した注射剤。

【性状】

性状
ユナシン-Sキット静注用1.5g:
本剤は白色〜帯黄白色の粉末で、キット(プラスチック容器入り)の静注用製剤である。本剤はわずかに特異なにおいがあり、味はわずかに苦く、水又は生理食塩液に溶けやすい。
pH:8.0〜10.0〔1.5g(力価)/10mL、水溶液〕
本剤を下記溶解液に溶解したときの浸透圧比は次のとおりである。
溶解液 日局 生理食塩液
濃度 1.5g(力価)/100mL
pH 9.2
浸透圧比注) 約1.3

[表脚注]


注):生理食塩液に対する比
【色】
白色〜帯黄白色
【剤形】
粉末/散剤/注射
/液剤/注射

【効能効果】

効能・効果
<適応菌種>:
本剤に感性のブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌
<適応症>:
肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎

【用法用量】

用法・用量
[肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合]:
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分け、用時添付の溶解液にて溶解し、静脈内に点滴注入する。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができるが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とする。
[膀胱炎の場合]:
通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日3g(力価)を2回に分け、用時添付の溶解液にて溶解し、静脈内に点滴注入する。
通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日60〜150mg(力価)/kgを3〜4回に分け、用時添付の溶解液にて溶解し、静脈内に点滴注入する。

【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。
2.高度の腎障害のある成人患者に本剤を投与する場合は、本剤の投与量及び投与間隔を調節する等、慎重に投与すること[「慎重投与」及び「薬物動態」の項参照]。

【注射液の調製法】

溶解操作方法
ユナシン-Sキット静注用1.5g:
(1).使用直前に外袋を開封する。
(図略)
(2).本キットを展開し、アルミカバーを剥がす。
(図略)
(3).溶解液部分を手で押して隔壁を開通させ、更に溶解液部分を繰り返し押すことで薬剤を完全に溶解させる。
(図略)
(4).溶解完了を確認し、輸液セットを装着する。このとき針を真っ直ぐ刺す。
(図略)
なお、溶解後は速やかに使用すること。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
<スルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムに関する注意>:
(1).セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
(2).本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
(3).高度の腎障害のある患者[「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照]
(4).経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
(5).高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
(6).1歳以下の小児[「小児等への投与」の項参照]
<生理食塩液に関する注意>:
(1).心臓、循環器系機能障害のある患者[循環血液量を増やすことから心臓に負担をかけ、悪化するおそれがある。]
(2).腎障害のある患者[水分、ナトリウムの過剰投与に陥りやすく、悪化するおそれがある。]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
2.本剤の投与に際しては、定期的に肝機能、腎機能、血液等の検査を行うことが望ましい。
3.1歳以下の小児に投与する場合には、下痢・軟便の発生に注意し、慎重に投与すること[「小児等への投与」の項参照]。

【相互作用・その他】

相互作用
相互作用序文
スルバクタム、アンピシリンともほとんど代謝されず、未変化体として主に尿中に排泄される[「薬物動態」の項参照]。

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アロプリノール アンピシリンとの併用により、発疹の発現が増加するとの報告がある1)。 機序不明だが薬剤性の発疹がアロプリノールとアンピシリンを併用していた67例の入院患者のうち22.4%に認められ、アンピシリン単独服用例の1,257例では7.5%に認められた。またアンピシリンを併用しないアロプリノール服用患者283例のうち2.1%が薬剤性発疹を経験したという報告がある。
抗凝血薬 ペニシリン注射液が血小板の凝集・凝固に影響を与え、出血傾向を増強するおそれがある。 抗凝血作用とペニシリン注射液の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される可能性がある。
経口避妊薬 アンピシリンとの併用により避妊効果が減弱したとの報告がある。 本剤は腸内細菌叢を変化させる可能性があり、それにより経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。
メトトレキサート ペニシリンとの併用により、メトトレキサートのクリアランスが減少するおそれがある。 メトトレキサートの尿細管分泌が阻害され、体内からの消失が遅延し、メトトレキサートの毒性が増強する可能性がある。
プロベネシド 併用により、本剤の血中濃度上昇、血中濃度半減期の延長、本剤の持つ毒性リスクの上昇のおそれがある。 プロベネシドの尿細管分泌抑制作用により本剤の排泄が遅延するおそれがある。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
本剤での臨床試験等、副作用発現頻度が明確となる調査は実施していないが、本剤はユナシン-S静注用と有効成分が同一であるため、ユナシン-S静注用の調査結果について以下に示す。
開発時:一般臨床試験及び比較臨床試験合計1,593例中265例(16.64%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。このうち、副作用は66例(4.14%)で、主なものは下痢(1.51%)、発疹(1.38%)、発熱(0.50%)等であった。臨床検査値異常は217例(13.62%)で、主なものはALT(GPT)上昇(6.48%)、AST(GOT)上昇(6.02%)Al-P上昇(1.62%)等であった。2)3)
市販後における使用成績調査(再審査終了時):3,566例中269例(7.54%)に副作用又は臨床検査値異常が認められ、主なものは肝機能異常(2.89%)、ALT(GPT)上昇(0.84%)、AST(GOT)上昇(0.81%)、発疹(0.67%)、下痢(0.59%)等であった。
1日用量12g(力価)を投与した一般臨床試験(承認事項一部変更承認時):中等度から重度の市中肺炎患者を対象に、1日用量12g(力価)を投与した一般臨床試験では47例中10例(21.3%)に副作用又は臨床検査値異常が認められ、主なものはALT(GPT)上昇(10.6%)、AST(GOT)上昇(10.6%)、Al-P上昇(8.5%)、γ-GTP上昇(6.4%)、下痢(4.3%)等であった4)。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(自発報告のため頻度不明)。
2.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(自発報告のため頻度不明)。
3.血液障害:無顆粒球症、貧血(溶血性貧血を含む)(0.38%)、血小板減少(0.19%)等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと(無顆粒球症は自発報告のため頻度不明)。
4.急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全(0.1%未満)、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと(間質性腎炎は自発報告のため頻度不明)。
5.偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと(自発報告のため頻度不明)。
6.肝機能障害:肝機能障害(0.10%)があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7.間質性肺炎、好酸球性肺炎:発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと(好酸球性肺炎は自発報告のため頻度不明)。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、投与中止等の適切な処置を行うこと。
発現部位等 1%以上 0.1〜1%未満 0.1%未満 頻度不明注1)
皮膚注2) 発疹、そう痒感 蕁麻疹 多形紅斑
血液注3) 好酸球増多 白血球減少
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇 Al-P上昇、LAP上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇 黄疸
消化器 下痢・軟便、悪心・嘔吐 腹部不快感 黒毛舌
中枢神経 痙攣等の神経症状
菌交代 口内炎、カンジダ症
その他 発熱 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等) ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

[後文]
注1):自発報告のため頻度不明。
注2):発現した場合には投与を中止すること。
注3):定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1).高齢者では一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2).高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.アンピシリンの大量(3,000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2.母乳中へ移行することが報告されているので5)、授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。

【小児投与】

小児等への投与
1.低出生体重児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
2.新生児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
3.1歳以下の小児では下痢・軟便の発現頻度が高いので、慎重に投与すること。

【検査影響】

臨床検査結果に及ぼす影響
1.本剤の投与により、クリニテスト、ベネディクト試薬、あるいはフェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること6)。
2.妊婦へのアンピシリン投与により、総結合型エストリオール、エストリオール-グルクロニド、結合型エストロン、エストラジオールの一時的な血清中濃度の減少を呈することがあるので注意すること。

【過量投与】

過量投与
β-ラクタム系抗生物質製剤の脳脊髄液中濃度が高くなると、痙攣等を含む神経系の副作用を引き起こすことが考えられるので、腎障害患者に過量投与された場合は血液透析を用いて体内から除去すること。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.調製時:本剤の使用にあたっては、完全に溶解したことを確認し、溶解後は速やかに使用すること。残液は決して使用しないこと。
2.投与時:静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
3.配合変化としてアンピシリンとアミノグリコシド系抗生物質製剤(硫酸ジベカシン、硫酸アルベカシン等)を混合すると力価が低下したとの報告がある。
併用に際しては投与部位を変える及び1時間以上投与間隔をあけるなど投与方法に注意すること。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
最終年月をラベル・外箱等に記載

【同一成分一覧】

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