6 病原生物に対する医薬品
61 抗生物質製剤
615 主としてグラム陽性・陰性菌リケッチアクラミジアに作用するもの
6152 テトラサイクリン系抗生物質製剤

改訂年月( 201501 )
商品分類番号( 876152 )
JPNコード( JPNC055568 )
YJコード( 6152401F1138 )
厚労省コード( 6152401F1138 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 513.00 )


■ミノマイシン点滴静注用100mg 100mg1瓶 (ファイザー) 【注射】  
(般)静注用ミノサイクリン塩酸塩

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【効能効果使用上注意】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【注射液の調製法】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】

  【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【過量投与】

  【適用上の注意】   【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201501

【改訂種別】

「版数」
第19版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
pH調節剤

【組成】

組成
[表題]

1バイアル中


成分\販売名 ミノマイシン点滴静注用100mg
有効成分 日局 ミノサイクリン塩酸塩 100mg(力価)
添加物 pH調節剤


【性状】

性状
本剤は黄色〜黄褐色の粉末又は薄片で、用時溶解して用いる注射剤である。
pH 2.0〜3.5 [10mg(力価)/mL水溶液]
浸透圧比 (生理食塩液に対する比) 約0.4 [20mg(力価)/mL注射用蒸留水]

【色】
黄色〜黄かっ色
【剤形】
粉末/散剤/注射

【効能効果】

効能・効果
<適応菌種>:
ミノサイクリンに感性の黄色ブドウ球菌、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、モラクセラ・ラクナータ(モラー・アクセンフェルト菌)、炭疽菌、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、シュードモナス・フルオレッセンス、緑膿菌、バークホルデリア・セパシア、ステノトロホモナス(ザントモナス)・マルトフィリア、アシネトバクター属、フラボバクテリウム属、レジオネラ・ニューモフィラ、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
<適応症>:
敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、炭疽、つつが虫病、オウム病

【効能効果使用上注意】

効能・効果に関連する使用上の注意
1.胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2.小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。

【用法用量】

用法・用量
点滴静脈内注射は、経口投与不能の患者及び救急の場合に行い、経口投与が可能になれば経口用剤に切り替える。
通常成人には、初回ミノサイクリン塩酸塩100〜200mg(力価)、以後12時間ないし24時間ごとに100mg(力価)を補液に溶かし、30分〜2時間かけて点滴静脈内注射する。

【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
1.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最少限の期間の投与にとどめること。
2.炭疽の発症及び進展抑制には、類薬であるドキシサイクリンについて米国疾病管理センター(CDC)が、60日間の投与を推奨している。

【注射液の調製法】

注射液調製法
本剤100mg(力価)及び200mg(力価)当たり100〜500mLの糖液、電解質液又はアミノ酸製剤などに溶解する。ただし、注射用水は等張とならないので使用しないこと。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
2.腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
3.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
4.高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
2.めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
抗凝血剤 ワルファリンカリウム等 血漿プロトロンビン活性を抑制することがある。 本剤による腸内細菌の減少が、ビタミンK合成を阻害し、抗凝血剤の作用を増強するほか、本剤がカルシウムイオンとキレート結合し、血漿プロトロンビン活性を抑制すると考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下薬 血糖降下作用が増強することがある。 機序は不明であるが、スルホニル尿素系薬剤の血糖降下作用がオキシテトラサイクリン及びドキシサイクリンによって増強されるという報告がある。
メトトレキサート メトトレキサートの作用が増強されることがある。 本剤は血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの作用を増強させることが考えられる。
ポルフィマーナトリウム 光線過敏症を起こすおそれがある。 直射日光、集中光等を避けること。 皮膚の光感受性を高める薬剤との併用により、本剤による光線過敏症が増強されることが考えられる。
ジゴキシン 本剤がジゴキシンの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。 併用時はジゴキシンの中毒症状に注意すること。 本剤による腸内細菌の減少のため、腸内細菌によるジゴキシンの代謝が不活性化され、ジゴキシンの血中濃度が上昇すると考えられる。
黄体・卵胞ホルモン配合剤 経口避妊剤 黄体・卵胞ホルモン配合剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 本剤による腸内細菌の減少のため、黄体・卵胞ホルモン配合剤の腸肝循環による再吸収が抑制されると考えられる。
外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤 ビタミンA レチノールパルミチン酸エステル エトレチナート トレチノイン 頭蓋内圧上昇があらわれることがある。 本剤及びこれらの薬剤はそれぞれ頭蓋内圧上昇を起こすことがある。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
1)
本剤の副作用集計対象となった3,906例中、臨床検査値の変動を含む243件の副作用が認められた。その主なものは悪心(0.87%)、食欲不振(0.46%)等の消化器症状、発疹(0.59%)、めまい感(0.46%)及び投与部位の血管痛(0.84%)などであった。(承認時から1980年までの集計)
なお、本項には自発報告など副作用発現頻度が算出できない副作用報告を含む。

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、意識障害等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪(頻度不明):全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3.結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎(いずれも頻度不明):結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、倦怠感、体重減少、関節痛、網状皮斑、しびれ等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.自己免疫性肝炎(頻度不明):長期投与例で、抗核抗体が陽性となる自己免疫性肝炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.薬剤性過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
7.血液障害(頻度不明):汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、溶血性貧血、貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.重篤な肝機能障害(頻度不明):肝不全等の重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、特に投与初期は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(投与開始1週間以内に出現することがある)。
9.急性腎不全、間質性腎炎(いずれも頻度不明):急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
10.呼吸困難、間質性肺炎、PIE症候群(いずれも頻度不明):間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し、間質性肺炎、PIE症候群が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.膵炎(頻度不明):膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
12.痙攣、意識障害等の精神神経障害(いずれも頻度不明):痙攣、意識障害等の精神神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
13.出血性腸炎、偽膜性大腸炎(いずれも頻度不明):出血性腸炎、偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
発現部位等 0.1〜5%未満 0.1%未満 頻度不明
過敏症注1) 発疹、発熱 浮腫(四肢、顔面) 蕁麻疹
皮膚 光線過敏症注2) 色素沈着(皮膚・爪・粘膜)注3)、急性熱性好中球性皮膚症
精神神経系 めまい感、頭痛 しびれ感
肝臓 AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等肝機能検査値異常 黄疸
消化器 悪心、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢、舌炎、胃腸障害 口内炎 肛門周囲炎、味覚異常、便秘、歯牙着色
血液 好酸球増多
腎臓 BUN上昇
菌交代症注2) 菌交代症に基づく新しい感染症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
頭蓋内圧上昇注1) 頭蓋内圧上昇に伴う症状(嘔吐、頭痛、複視、うっ血乳頭、大泉門膨隆等)
投与部位 血管痛 静脈炎、発赤
感覚器 耳鳴
その他 倦怠感 関節痛

[後文]
注1)投与を中止すること。
注2)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注3)長期投与における発現。

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1).高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2).高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
2)
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められている。]
2.授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

【小児投与】

小児等への投与
他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。[小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがある。]

【過量投与】

過量投与
静脈内大量投与により肝障害(黄疸、脂肪肝等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与経路:点滴静脈内注射にのみ使用すること。
2.投与時:静脈内投与により血管痛、血栓性静脈炎を起こすことがあるので、注射液の調製、注射部位、注射方法に注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
3.溶解後:溶解後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、12時間以内に点滴静脈内注射を終了すること。

【その他の注意】

その他の注意
1.本剤の投与により尿が黄褐〜茶褐色、緑、青に変色したという報告がある。
2.本剤の投与により甲状腺が黒色になることがある。
3.海外において、本剤投与中の患者に甲状腺癌が発現したとの報告があるが、本剤との因果関係は確立していない。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
遮光保存、室温保存

【使用期限】

使用期限
最終年月を外箱等に記載

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「日医工」 100mg1瓶 日医工 144.00  
ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「タイヨー」 100mg1瓶 テバ製薬 182.00  
ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「サワイ」 100mg1瓶 沢井製薬 182.00  
ミノサイクリン塩酸塩点滴静注用100mg「F」 100mg1瓶 富士製薬工業 182.00  

※赤色は後発品

▲TOP