6 病原生物に対する医薬品
62 化学療法剤
624 合成抗菌剤
6241 ピリドンカルボン酸系製剤

改訂年月( 201504 )
商品分類番号( 876241 )
JPNコード( JPNC061430 )
YJコード( 6241401G2042 )
厚労省コード( 6241401G2042 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 1891.00 )


■パズクロス点滴静注液500mg 500mg100mL1キット (田辺三菱製薬) 【注射】  
(般)パズフロキサシンメシル酸塩注射液キット

  【改訂年月】   【改訂種別】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】   【性状】

  【効能効果】   【効能効果使用上注意】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】

  【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【重大な副作用(類薬)】   【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【適用上の注意】

  【その他の注意】   【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201504

【改訂種別】

「版数」
第16版 D21
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
3.小児等(「小児等への投与」の項参照)

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
メタンスルホン酸
添加物
塩化ナトリウム

【組成】

組成
パズクロス点滴静注液500mg:
販売名 パズクロス点滴静注液500mg
成分 パズフロキサシンメシル酸塩
含量 1袋(100mL)中651.0mg (パズフロキサシンとして500mg)
添加物 メタンスルホン酸4.5mg,塩化ナトリウム900mg

[表脚注]


Naイオン濃度:100mL中15.4mEq

【性状】

性状
パズクロス点滴静注液500mg:
販売名 パズクロス点滴静注液500mg
色・剤形 無色澄明の液剤
pH 3.2〜3.5
浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)

【色】
無色澄明
【剤形】
/液剤/注射

【効能効果】

効能・効果
<適応菌種>:
パズフロキサシンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,大腸菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,インフルエンザ菌,緑膿菌,アシネトバクター属,レジオネラ属,バクテロイデス属,プレボテラ属
<適応症>:
(1).敗血症
(2).外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
(3).肺炎,肺膿瘍,慢性呼吸器病変の二次感染
(4).複雑性膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症)
(5).腹膜炎,腹腔内膿瘍
(6).胆嚢炎,胆管炎,肝膿瘍
(7).子宮付属器炎,子宮旁結合織炎

【効能効果使用上注意】

効能・効果に関連する使用上の注意
本剤の使用に際しては,起炎菌と適応患者を十分考慮し,一次選択薬としての要否を検討すること.

【用法用量】

用法・用量
通常,成人にはパズフロキサシンとして1日1000mgを2回に分けて点滴静注する.
なお,年齢,症状に応じ,1日600mgを2回に分けて点滴静注するなど,減量すること.
点滴静注に際しては,30分〜1時間かけて投与すること.
〔敗血症,肺炎球菌による肺炎,重症・難治性の呼吸器感染症(肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染に限る)の場合〕:
通常,成人にはパズフロキサシンとして1日2000mgを2回に分けて点滴静注する.
点滴静注に際しては,1時間かけて投与すること.

【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
1.本剤の使用にあたっては,細菌学的検査を実施した後に投与すること.また,耐性菌の発現を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること.
2.本剤の使用に際しては,投与開始後3日を目安として継続投与が必要か判定し,投与中止又はより適切な他剤に切り替えるべきか検討を行うこと.更に,本剤の投与期間は,原則として14日以内とすること.
3.原則として他剤及び輸液と配合しないこと.(「適用上の注意」の項参照)
4.本剤の臨床試験において,1日1000mg投与時と比較して1日2000mg投与時では,注射部位反応などの副作用発現率が高い傾向が認められたため,1日2000mg投与は,他の抗菌薬の投与を考慮した上で,必要な患者に限り,副作用の発現に十分注意して慎重に投与すること.(「重要な基本的注意」,「副作用」の項参照)
5.腎障害のある患者に対して1日2000mgを投与する場合には,患者の状態を十分に観察するなど,血中濃度上昇による副作用の発現に十分注意すること.異常が認められた場合には症状に応じて減量,休薬等の適切な処置を行うこと.(「薬物動態」の項参照)
6.高度の腎障害のある患者には,投与量及び投与間隔を適切に調節するなど慎重に投与すること.参考として,体内動態試験の結果より,以下の用量が目安として推察されている.(「薬物動態」の項参照)
Ccr (mL/min) 通常用法・用量 通常用法・用量
Ccr (mL/min) 1回500mg1日2回投与対象の場合 1回1000mg1日2回投与対象の場合
20以上30未満 1回500mg1日2回 (用量調節不要) 1回500mg1日2回
20未満 1回500mg1日1回 1回500mg1日1回

7.血液透析施行患者には,投与量及び投与間隔を適切に調節し,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.(「薬物動態」の項参照)

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.キノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
2.本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者〔アレルギー素因を有する患者は過敏症を起こしやすいので,十分な問診を行うこと.〕
3.腎障害のある患者〔高度の腎障害患者では高い血中濃度が持続することがある(「薬物動態」の項参照).また,塩化ナトリウムを含有するため高ナトリウム血症等の電解質異常を起こすおそれがある.〕
4.心臓,循環器系機能障害のある患者〔塩化ナトリウムを含有するため水分やナトリウム貯留が生じやすく,浮腫等の症状を悪化させるおそれがある.〕
5.てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者〔痙攣を起こすことがある.〕
6.重症筋無力症の患者〔類薬で症状を悪化させるとの報告1)がある.〕
7.高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤によるショック,アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること.
(1).事前に既往歴等について十分な問診を行うこと.なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること.
(2).投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと.
(3).投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと.特に,投与開始直後は注意深く観察すること.
2.注射部位反応(疼痛,紅斑,腫脹,硬結,静脈炎等)があらわれた場合には,注射部位を変更する,又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと.(臨床試験における注射部位反応の副作用発現率は,1日2000mg投与時34.13%(57/167例)であり,1日1000mg投与時0.08%(1/1,264例)に比べて高かった.)

【相互作用・その他】

相互作用
相互作用序文
本剤はチトクロームP-450(CYP)により代謝を受けず,主に尿中に排泄される.なお,本剤はCYP1A2の代謝活性を阻害する.(「薬物動態」の項参照)

【併用注意】

併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
テオフィリン アミノフィリン水和物 テオフィリンの中毒症状(消化器障害,頭痛,不整脈,痙攣等)があらわれるおそれがある. 観察を十分に行い,血中濃度モニタリングを行うなど注意すること. <機序> テオフィリンの主代謝酵素であるCYP1A2を阻害することにより,血中濃度を上昇させることが考えられる. <危険因子> 高齢者 高度の腎障害患者
フェニル酢酸系,プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤 痙攣があらわれるおそれがある. 観察を十分に行い,症状があらわれた場合には両剤の投与を中止し,気道確保と抗痙攣薬の使用など痙攣に対する治療を実施すること. <機序> 中枢神経におけるGABAAの受容体への結合阻害作用が非ステロイド性消炎鎮痛剤により増強されることが主な機序と考えられている. <危険因子> 高齢者 てんかん等痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者 高度の腎障害患者
ワルファリン ワルファリンの作用を増強し,出血,プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある. 観察を十分に行い,血液凝固能検査を行うなど注意すること. <機序> 機序は不明である.


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
1日投与量1000mg以下で実施した臨床試験:1,264例中,副作用は43例(3.40%)に認められた.主な副作用は下痢11例(0.87%),発疹9例(0.71%)等であった.
また,主な臨床検査値異常としては,ALT(GPT)増加6.15%(73/1,187),好酸球数増加4.58%(51/1,114),AST(GOT)増加4.04%(48/1,187),ALP増加2.86%(32/1,118),γ-GTP増加3.35%(28/835)等が認められた.
1日投与量1000mg以下の再審査終了時:各領域感染症に関する特定使用成績調査では,4,032例中副作用は336例(8.33%)に認められ,主な副作用は肝機能異常113例(2.80%),肝障害23例(0.57%),腎機能障害19例(0.47%),下痢,発疹各16例(0.40%),薬疹12例(0.30%),AST増加11例(0.27%),ALT増加10例(0.25%)であった.
レジオネラ肺炎に関する特定使用成績調査では,54例中副作用は7例(12.96%)に認められ,主な副作用は肝機能異常2例(3.70%)であった.
1日投与量2000mgで実施した臨床試験:167例中,副作用は83例(49.70%)に認められた.主な副作用は注射部位反応(疼痛,紅斑,腫脹,硬結,静脈炎等)57例(34.13%),下痢8例(4.79%)等であった.
また,主な臨床検査値異常としては,AST(GOT)増加14.37%(24/167),ALT(GPT)増加13.17%(22/167),γ-GTP増加4.27%(7/164)等が認められた.

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.急性腎不全(0.1%未満):急性腎不全があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
2.肝機能障害(0.16%),黄疸(頻度不明):肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
3.偽膜性大腸炎(0.1%未満):偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある.腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
4.無顆粒球症(頻度不明),血小板減少(0.1%未満):無顆粒球症,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
5.横紋筋融解症(頻度不明):横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.また,横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること.
6.錯乱,幻覚等の精神症状(頻度不明):錯乱,幻覚等の精神症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
7.痙攣(0.1%未満):痙攣があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
8.ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,浮腫,発赤等)(いずれも頻度不明):ショック,アナフィラキシー様症状(呼吸困難,浮腫,発赤等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
9.中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明):中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
10.間質性肺炎(0.1%未満):発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
11.低血糖(頻度不明):重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者,腎障害患者であらわれやすい)ので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
12.アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害(いずれも頻度不明):アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

【重大な副作用(類薬)】

重大な副作用
1.PIE症候群:他のニューキノロン系抗菌剤で,発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴うPIE症候群等が報告されているので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと.
2.重症筋無力症の悪化:他のニューキノロン系抗菌剤で,重症筋無力症の悪化が報告1)されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用があらわれた場合には,症状に応じて適切な処置を行うこと.
発現部位等 0.1〜5%未満 又は頻度不明 0.1%未満
過敏症 発赤注),発疹,紅斑 そう痒症,浮腫,蕁麻疹,発熱,潮紅
腎臓 BUN増加 頻尿,血中クレアチニン増加,尿中赤血球陽性,尿中蛋白陽性,尿中ウロビリン陽性,尿円柱陽性
肝臓 ALT(GPT)増加,AST(GOT)増加,γ-GTP増加,ALP増加,LAP上昇,LDH増加,血中ビリルビン増加
血液 好酸球数増加,白血球数減少,血小板数減少,貧血
消化器 下痢,悪心,嘔吐 心窩部不快感,腹部膨満,変色便,メレナ
精神神経系 頭痛,精神障害 浮動性めまい,感覚鈍麻,意識変容状態,譫妄
投与部位 注射部位反応(疼痛,紅斑,腫脹,硬結,静脈炎等)
その他 CK(CPK)増加,電解質失調 灼熱感,関節痛,口内炎,異常感(気分不良,違和感,浮遊感),口内乾燥,舌炎

[後文]
注)頻度不明

【高齢者投与】

高齢者への投与
高齢者に本剤を投与し,血中濃度及び尿中排泄を検討した結果,Cmaxの上昇,AUCの増大及び尿中回収率の低下が認められているので,用量に留意し慎重に投与すること.(「薬物動態」の項参照)

【妊産婦投与】

妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと.〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.〕
2.授乳中の婦人に投与する場合には授乳を中止させること.〔動物実験(ラット)で,乳汁中に移行することが報告されている.〕

【小児投与】

小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していないので,投与しないこと.(「その他の注意」の項参照)

【適用上の注意】

適用上の注意
1.投与経路:本剤は点滴静脈内投与のみに使用すること.
2.投与時:
(1).他剤及び輸液と配合した場合に,配合変化(白濁等)が認められているため,原則として他剤及び輸液と配合しないこと.なお,I.V.Push法及びPiggyback法においても配合変化が認められているため,側管からの配合も避けること.
(2).血管を確保できないなど,やむを得ず側管から投与する場合には,他剤との配合変化を避けるため,本剤使用の前後に生理食塩液でライン洗浄(フラッシング)を行うこと.
3.開封後:開封後は速やかに使用すること.

【その他の注意】

その他の注意
動物実験〔幼若犬,成熟犬(16〜26カ月齢),ラット(6週齢)〕で関節異常が認められたとの報告がある.

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
外箱及び容器に表示の使用期限内に使用すること

【同一成分一覧】

商品名 規格単位 会社名 単位薬価 廃止日付
パシル点滴静注液500mg 500mg100mL1キット 富山化学工業 1891.00  

※赤色は後発品

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