6 病原生物に対する医薬品
62 化学療法剤
625 抗ウイルス剤
6250 その他の抗ウイルス剤

改訂年月( 201411 )
商品分類番号( 87625 )
JPNコード( JPNC043803 )
YJコード( 6250021M1027 )
厚労省コード( 6250021M1027 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 317.90 )


■タミフルカプセル75 75mg1カプセル (中外製薬) 【内用】  
(般)オセルタミビルリン酸塩カプセル

  【改訂年月】   【改訂種別】   【警告】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【効能効果使用上注意】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】   【他副作用(国内)】

  【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【過量投与】   【適用上の注意】   【その他の注意】

  【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201411

【改訂種別】

「版数」
第26版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【警告】

警告
1.本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
2.10歳以上の未成年の患者においては、因果関係は不明であるものの、本剤の服用後に異常行動を発現し、転落等の事故に至った例が報告されている。このため、この年代の患者には、合併症、既往歴等からハイリスク患者と判断される場合を除いては、原則として本剤の使用を差し控えること。
また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、[1]異常行動の発現のおそれがあること、[2]自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。
なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状が現れるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。
3.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
部分アルファー化デンプン
添加物
ポビドン
添加物
クロスカルメロースナトリウム
添加物
タルク
添加物
フマル酸ステアリルナトリウム
添加物
ゼラチン
添加物
黒酸化鉄
添加物
酸化チタン
添加物
三二酸化鉄
添加物
黄色三二酸化鉄
添加物
ラウリル硫酸ナトリウム
識別コード
ROCHE75mg

【組成】

組成
販売名 販売名 タミフルカプセル75
成分 (1カプセル中) 有効成分・含有量 オセルタミビルリン酸塩98.5mg (オセルタミビルとして75mg)
成分 (1カプセル中) 添加物 内容物;部分アルファー化デンプン、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム カプセル;ゼラチン、黒酸化鉄、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウム


【性状】

性状
販売名 販売名 タミフルカプセル75
キャップ 淡黄色
ボディ 明るい灰色
剤形 剤形 硬カプセル(2号)
外形 外形 (図略)
長径 長径 約17.8mm
平均質量 平均質量 約230mg

【色】
淡黄色
明るい灰色
【剤形】
硬カプセル剤/カプセル剤/内用

【効能効果】

効能・効果
1.A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防

【効能効果使用上注意】

効能・効果に関連する使用上の注意
1.治療に用いる場合には、A型又はB型インフルエンザウイルス感染症と診断された患者のみが対象となるが、抗ウイルス薬の投与がA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の全ての患者に対しては必須ではないことを踏まえ、患者の状態を十分観察した上で、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。
特に、幼児及び高齢者に比べて、その他の年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮すること。
2.予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1).高齢者(65歳以上)
(2).慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3).代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4).腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)
3.1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性及び有効性は確立していない(「小児等への投与」の項参照)。
4.本剤はA型又はB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がない。
5.本剤は細菌感染症には効果がない(「重要な基本的注意」の項参照)。

【用法用量】

用法・用量
1.治療に用いる場合:
通常、成人及び体重37.5kg以上の小児にはオセルタミビルとして1回75mgを1日2回、5日間経口投与する。
2.予防に用いる場合:
(1).成人:
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、7〜10日間経口投与する。
(2).体重37.5kg以上の小児:
通常、オセルタミビルとして1回75mgを1日1回、10日間経口投与する。
<参考>:
治療 予防 予防
対象 成人及び体重37.5kg以上の小児 成人 体重37.5kg以上の小児
投与法 1回75mg 1日2回 1回75mg 1日1回 1回75mg 1日1回
投与期間 5日間経口投与 7〜10日間経口投与 10日間経口投与


【用法用量使用上注意】

用法・用量に関連する使用上の注意
1.治療に用いる場合には、インフルエンザ様症状の発現から2日以内に投与を開始すること(症状発現から48時間経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
2.予防に用いる場合には、次の点に注意して使用すること。
(1).インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始すること(接触後48時間経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない)。
(2).インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、本剤を連続して服用している期間のみ持続する。
3.成人の腎機能障害患者では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような投与法を目安とすること(外国人における成績による)。小児等の腎機能障害患者での使用経験はない。
クレアチニンクリアランス (mL/分) 投与法 投与法
クレアチニンクリアランス (mL/分) 治療 予防
Ccr>30 1回75mg 1日2回 1回75mg 1日1回
10<Ccr≦30 1回75mg 1日1回 1回75mg 隔日
Ccr≦10 推奨用量は確立していない 推奨用量は確立していない

[表脚注]


Ccr:クレアチニンクリアランス

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
高度の腎機能障害患者(<用法・用量に関連する使用上の注意>及び「重要な基本的注意」の項参照)

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤は腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、クレアチニンクリアランス値に応じた<用法・用量に関連する使用上の注意>に基づいて、状態を観察しながら慎重に投与すること(【薬物動態】の項参照)。
2.細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあるので、細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。

【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
カプセル剤の承認時までの臨床試験309例において、副作用は、85例(27.5%)に認められた。主な副作用は、腹痛21件(6.8%)、下痢17件(5.5%)、嘔気12件(3.9%)等であった。(承認時)
製造販売後の調査4,211例において、副作用は90例(2.1%)に認められた。主な副作用は、下痢22件(0.5%)、悪心12件(0.3%)、腹痛11件(0.3%)、発疹10件(0.2%)等であった。[再審査終了時(治療)]

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、顔面・喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2.肺炎(頻度不明):肺炎の発症が報告されているので、異常が認められた場合にはX線等の検査により原因(薬剤性、感染性等)を鑑別し、適切な処置を行うこと。
3.劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明):劇症肝炎等の重篤な肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4.皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明):皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症等の皮膚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5.急性腎不全(頻度不明):急性腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.白血球減少、血小板減少(頻度不明):白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7.精神・神経症状(頻度不明):精神・神経症状(意識障害、異常行動、譫妄、幻覚、妄想、痙攣等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応じて適切な処置を行うこと。
8.出血性大腸炎(頻度不明):出血性大腸炎があらわれることがあるので、血便、血性下痢等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
発現部位等 頻度不明 0.1%以上 0.1%未満
皮膚 皮下出血、紅斑(多形紅斑を含む)、そう痒症 発疹 蕁麻疹
消化器 口唇炎、血便、メレナ、吐血、消化性潰瘍 下痢(0.9%)、腹痛(0.6%)、悪心(0.5%)、嘔吐 口内炎(潰瘍性を含む)、食欲不振、腹部膨満、口腔内不快感、便異常
精神神経系 激越、振戦、悪夢 めまい、頭痛、不眠症 傾眠、嗜眠、感覚鈍麻
循環器 上室性頻脈、心室性期外収縮、心電図異常(ST上昇) 動悸
肝臓 ALT(GPT)増加 γ-GTP増加、Al-P増加、AST(GOT)増加
腎臓 血尿 蛋白尿
血液 好酸球数増加
呼吸器 気管支炎、咳嗽、鼻出血
視覚障害(視野欠損、視力低下)、霧視、複視、結膜炎 眼痛
その他 疲労、不正子宮出血、耳の障害(灼熱感、耳痛等)、発熱 低体温 血中ブドウ糖増加、背部痛、胸痛、浮腫

[後文]
発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果をあわせて算出した。

【高齢者投与】

高齢者への投与
国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度及び種類は非高齢者との間に差は認められていないが、一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能等)の低下や、種々の基礎疾患を有することが多いため、状態を観察しながら投与すること(<用法・用量に関連する使用上の注意>、【薬物動態】の項参照)。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人に投与する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。]
2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]

【小児投与】

小児等への投与
1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確立していない(「その他の注意」の項参照)。

【過量投与】

過量投与
過量投与時に、嘔吐、傾眠、浮動性めまい等が発現することがある。このような場合は、投与を中止し適切な処置を行うこと。

【適用上の注意】

適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]

【その他の注意】

その他の注意
1.国内で実施されたカプセル剤による第III相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例ある。また、国外で実施されたカプセル剤による第III相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化又は高血糖が7例にみられた。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において糖代謝阻害は認められていない。
2.国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患患者及び慢性呼吸器疾患患者を対象とした第III相治療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていない。しかし、本剤投与によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛又は悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮した。
3.国外で実施されたカプセル剤による高齢者(65歳以上)を対象とした第III相治療試験において、本剤の投与によりインフルエンザ罹病期間をプラセボに比較して、約50時間(23%)短縮した。
4.シーズン中に重複してインフルエンザに罹患した患者に本剤を繰り返して使用した経験はない。
5.国内で実施されたカプセル剤による第III相予防試験において、6週間を超えて投与した経験はない。なお、国外ではドライシロップ剤及びカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の投与経験がある。
6.幼若ラットの単回経口投与毒性試験において、オセルタミビルリン酸塩を394、657、788、920、1117、1314mg/kgの用量で単回経口投与した時、7日齢ラットでは薬物に関連した死亡が657mg/kg以上で認められた。しかし、394mg/kgを投与した7日齢ラット及び1314mg/kgを投与した成熟ラット(42日齢)では死亡は認められなかった。
7.幼若ラットの単回経口投与トキシコキネティクス試験において、毒性が認められなかった用量におけるオセルタミビルの脳/血漿中AUC比は、7日齢ラットで0.31(394mg/kg)、成熟ラット(42日齢)で0.22(1314mg/kg)であった。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。

【同一成分一覧】

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