6 病原生物に対する医薬品
62 化学療法剤
625 抗ウイルス剤
6250 その他の抗ウイルス剤

改訂年月( 201508 )
商品分類番号( 87625 )
JPNコード( JPNC061435 )
YJコード( 6250703G1022 )
厚労省コード( 6250703G1022 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 2139.90 )


■イナビル吸入粉末剤20mg 20mg1キット (第一三共) 【外用】  
(般)ラニナミビルオクタン酸エステル水和物吸入剤

  【改訂年月】   【改訂種別】   【警告】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【効能効果使用上注意】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】

  【慎重投与】   【重要注意】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】   【重大な副作用(類薬)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【適用上の注意】   【貯法】

  【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201508

【改訂種別】

「版数」
第8版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【警告】

警告
1.本剤の使用にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること(「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照)。
2.インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤の予防使用はワクチンによる予防に置き換わるものではない。

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

【組成性状】

規格単位毎の組成性状
添加物
乳糖水和物

【組成】

組成
1容器中に次の成分を含有
販売名 有効成分 添加物
イナビル吸入粉末剤20mg ラニナミビルオクタン酸エステル水和物20.76mg (ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mg) 乳糖水和物注)

[表脚注]


注)夾雑物として乳蛋白を含む

【性状】

性状
容器中の内容物は白色の粉末である。
【色】
白色
【剤形】
吸入剤/散剤/外用
//徐放性製剤

【効能効果】

効能効果
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療及びその予防

【効能効果使用上注意】

効能効果に関連する使用上の注意
1.治療に用いる場合は、抗ウイルス薬の投与が全てのA型又はB型インフルエンザウイルス感染症の治療に必須ではないことを踏まえ、本剤の使用の必要性を慎重に検討すること。
2.予防に用いる場合は、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1).高齢者(65歳以上)
(2).慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3).代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4).腎機能障害患者
3.本剤はC型インフルエンザウイルス感染症には効果がない。
4.本剤は細菌感染症には効果がない(「重要な基本的注意」の項参照)。

【用法用量】

用法用量
1.治療に用いる場合:
成人:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。
小児:
10歳未満の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを単回吸入投与する。
10歳以上の場合、ラニナミビルオクタン酸エステルとして40mgを単回吸入投与する。
2.予防に用いる場合:
成人及び10歳以上の小児:ラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを1日1回、2日間吸入投与する。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
1.治療に用いる場合は、症状発現後、可能な限り速やかに投与を開始することが望ましい。[症状発現から48時間を経過後に投与を開始した患者における有効性を裏付けるデータは得られていない。]
2.予防に用いる場合は、次の点を注意して使用すること。
(1).インフルエンザウイルス感染症患者に接触後2日以内に投与を開始する。[接触から48時間を経過後に投与を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていない。]
(2).本剤の服用開始から10日以降のインフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は確認されていない。
3.本剤は、1容器あたりラニナミビルオクタン酸エステルとして20mgを含有し、薬剤が2箇所に充填されている。治療に用いる場合は、成人及び10歳以上の小児には2容器(計4箇所に充填された薬剤をそれぞれ吸入)、10歳未満の小児には1容器(計2箇所に充填された薬剤をそれぞれ吸入)を投与し、予防に用いる場合は、1回の吸入で1容器(計2箇所に充填された薬剤をそれぞれ吸入)を投与すること(「適用上の注意」の項参照)。

【使用上注意】

使用上注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者(「重要な基本的注意」の項参照)

【重要注意】

重要な基本的注意
1.因果関係は不明であるものの、本剤を含む抗インフルエンザウイルス薬投薬後に異常行動等の精神神経症状を発現した例が報告されている。小児・未成年者については、異常行動による転落等の万が一の事故を防止するための予防的な対応として、本剤による治療が開始された後は、1)異常行動の発現のおそれがあること、2)自宅において療養を行う場合、少なくとも2日間、保護者等は小児・未成年者が一人にならないよう配慮することについて患者・家族に対し説明を行うこと。なお、インフルエンザ脳症等によっても、同様の症状があらわれるとの報告があるので、上記と同様の説明を行うこと。
2.インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、類薬において、吸入剤の投与後に気管支攣縮や呼吸機能の低下がみられた例が報告されている。気管支喘息及び慢性閉塞性肺疾患等の慢性呼吸器疾患の患者では、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
3.高齢者、基礎疾患(糖尿病を含む慢性代謝性疾患、慢性腎機能障害、慢性心疾患)を有する患者、あるいは免疫低下状態の患者等では本剤の使用経験が少ない。これらの患者へ投与する場合には、患者の状態を十分に観察しながら投与すること。
4.細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがある。細菌感染症の場合には、抗菌剤を投与するなど適切な処置を行うこと(「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照)。
5.本剤投与後に失神やショック症状があらわれたとの報告がある。この失神やショック症状はインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱、脱水等の全身状態の悪化に加え、本剤を強く吸入したこと又は長く息を止めたことが誘因となった可能性及び本剤による可能性がある。患者には使用説明書に記載されている吸入法を十分に理解させ、くつろいだ状態(例えば座位等)で吸入するよう指導すること。また、このような症状があらわれた場合には、患者に仰臥位をとらせ安静に保つとともに、補液を行うなど適切な処置を行うこと。
6.本剤は、夾雑物として乳蛋白を含む乳糖水和物を使用しており、乳製品に対して過敏症の既往歴のある患者に投与した際にアナフィラキシーがあらわれたとの報告があるので、投与に際しては十分に注意すること。

【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
治療:
国内・海外(台湾、韓国、香港)の臨床試験において、総症例1,571例中159例(10.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、下痢(4.7%)、悪心(0.8%)、ALT(GPT)上昇(0.8%)、胃腸炎(0.7%)等であった。〔承認時〕
製造販売後臨床試験において、総症例102例中14例(13.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、下痢(2.9%)等であった。〔製造販売後臨床試験終了時〕
使用成績調査(調査期間:2010年11月〜2011年4月)において、総症例3,542例中50例(1.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、下痢(0.31%)、めまい(0.11%)、悪心(0.08%)、蕁麻疹(0.08%)、発熱(0.08%)等であった。〔使用成績調査終了時〕
予防:国内の臨床試験において、総症例1,517例中59例(3.9%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、下痢(0.7%)、頭痛(0.5%)等であった。〔承認時〕

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
(頻度不明注))
ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、蕁麻疹、血圧低下、顔面蒼白、冷汗等の異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

【重大な副作用(類薬)】

重大な副作用
他の抗インフルエンザウイルス薬(吸入剤)で以下の重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
(1).気管支攣縮、呼吸困難
(2).皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、多形紅斑

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
下記の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、必要に応じ適切な処置を行うこと。
発現部位等 0.1%以上 0.1%未満 頻度不明注)
過敏症 蕁麻疹 発疹 紅斑、そう痒
消化器 下痢、胃腸炎、悪心、嘔吐、腹痛、口内炎 腹部膨満、食欲減退、腹部不快感
精神神経系 めまい、頭痛
血液 白血球数増加
肝臓 ALT(GPT)上昇、AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇 肝機能異常
泌尿器 尿蛋白
その他 CRP上昇、尿中ブドウ糖陽性

[後文]
注)自発報告において認められている副作用のため頻度不明。

【高齢者投与】

高齢者への投与
一般的に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら投与すること(使用経験が少ない。「重要な基本的注意」、「薬物動態」の項参照)。

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験(ラット)で胎盤通過性が報告されている。]
2.授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。]

【小児投与】

小児等への投与
1.小児に対しては、本剤を適切に吸入投与できると判断された場合にのみ投与すること。
2.幼児へ投与する場合には、患者の状態を十分に観察しながら投与すること(使用経験が少ない)。
3.低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
4.予防に対して、10歳未満での20mg1日1回、2日間吸入投与の使用経験はない。

【適用上の注意】

適用上の注意
1.本剤は口腔内への吸入投与にのみ使用すること。
2.患者又は保護者には添付の使用説明書を渡し、空の容器によるデモンストレーションも含めて使用方法を指導すること。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。

【同一成分一覧】

▲TOP