6 病原生物に対する医薬品
64 寄生動物用薬
641 抗原虫剤
6419 その他の抗原虫剤

改訂年月( 201404 )
商品分類番号( 876419 )
JPNコード( JPNC060042 )
YJコード( 6419400D1037 )
厚労省コード( 6419400D1037 )

薬価改訂日( 2014/04/01 ) 単位薬価( 7618.00 )


■ベナンバックス注用300mg 300mg1瓶 (サノフィ) 【注射】  
(般)注射用ペンタミジンイセチオン酸塩

  【改訂年月】   【改訂種別】   【警告】   【禁忌】   【組成性状】   【組成】

  【性状】   【効能効果】   【用法用量】   【用法用量使用上注意】   【使用上注意】   【慎重投与】

  【重要注意】   【相互作用・その他】   【併用禁忌】   【副作用】   【発現状況】   【重大な副作用(国内)】

  【他副作用(国内)】   【高齢者投与】   【妊産婦投与】   【小児投与】   【適用上の注意】   【その他の注意】

  【貯法】   【使用期限】   【同一成分一覧】

【改訂年月】

201404

【改訂種別】

「版数」
第17版
「種別」
改訂
「改訂理由」
改訂

【警告】

警告
重篤な低血圧、低血糖及び不整脈があらわれることがある。【用法及び用量】、【使用上の注意】に特に留意し、このような症状が発現した場合は直ちに本薬の投与を中止し、再投与しないこと。

【禁忌】

禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.本剤に対する過敏症の既往歴のある患者
2.ザルシタビンを投与中の患者[海外で本剤(静注)との併用により劇症膵炎による死亡例が報告されているので、カリニ肺炎の治療のため本剤が必要になった場合は、ザルシタビンを休薬すること。「3.相互作用」の項参照]
3.ホスカルネットナトリウムを投与中の患者[腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある。なお、海外で本剤(静注)との併用により、重篤な低カルシウム血症が発現した死亡例が報告されている。「3.相互作用」の項参照]
4.吸入投与は、換気障害が重症の患者(PaO2 60mmHg以下)には行わないこと。[換気障害のため、薬剤の十分な拡散が得られないことがある。]
5.アミオダロン(注射剤)を投与中の患者[併用によりTorsades de pointesのリスクが増加する。「3.相互作用」の項参照]

【組成性状】

規格単位毎の組成性状

【組成】

組成
販売名 ベナンバックス注用300mg
有効成分 (1バイアル中) ペンタミジンイセチオン酸塩300mg


【性状】

性状
販売名 ベナンバックス注用300mg
性状・剤形 白色の塊又は粉末(注射剤)
pH注1) 4.5〜6.5
浸透圧比注2) 0.5〜0.7

[表脚注]


注1)注射用水6mLで溶解後 注2)注射用水6mLで溶解後の生理食塩液に対する比
【色】
白色
【剤形】
塊/散剤/注射
粉末/散剤/注射

【効能効果】

効能効果
<適応菌種>:
ニューモシスチス・カリニ
<適応症>:
カリニ肺炎

【用法用量】

用法用量
[静脈内・筋肉内投与]:
通常、ペンタミジンイセチオン酸塩として4mg/kgを1日1回投与する。
[1].静脈内点滴投与:日局注射用水3〜5mLに溶解した後、日局ブドウ糖注射液又は日局生理食塩液50〜250mLに希釈し、1〜2時間かけて点滴静注する。
[2].筋肉内投与:日局注射用水3mLに溶解した後、2箇所以上の部位に分けて筋注する。
[吸入投与]:
通常、ペンタミジンイセチオン酸塩として300〜600mgを日局注射用水(1バイアルにつき3〜5mL)に溶解し、吸入装置を用いて1日1回30分かけて投与する。吸入装置は5μm以下のエアロゾル粒子を生成する能力を有する超音波ネブライザー又はコンプレッサー式ネブライザー等を使用すること。なお、吸入装置により霧化能力、薬液槽容量が異なるので、使用する機種に応じて薬液を日局注射用水で適切な量に希釈して用いること。

【用法用量使用上注意】

用法用量に関連する使用上の注意
生理食塩液やブドウ糖液等で直接溶解すると懸濁・固化するおそれがあるので溶解には必ず日局注射用水を用いること。

【使用上注意】

使用上の注意

【慎重投与】

慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.腎又は肝機能障害のある患者[腎又は肝機能障害を悪化させるとともに副作用も発現しやすくなるおそれがある。]
2.低血圧又は高血圧症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
3.低血糖又は高血糖症の患者[膵臓のβ細胞に作用し、症状を悪化させるおそれがある。]
4.白血球減少、血小板減少、貧血のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
5.低カルシウム血症の患者[症状を悪化させるおそれがある。]
6.高齢者[「5.高齢者への投与」の項参照]

【重要注意】

重要な基本的注意
1.本剤による重篤な副作用報告があるので、カリニ肺炎と確定診断された患者若しくは臨床的にカリニ肺炎が強く疑われる患者において、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。なお、投与に際しては【使用上の注意】、【用法及び用量】を厳守すること。
2.血液障害、ショック等を予測するため十分な問診を行うこと。
3.本剤投与前、投与中及び投与後を通じて、臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査、心電図検査等)を行うこと。
4.本剤投与後、突然重度の低血圧が起こることがあるので、患者の基礎血圧値をあらかじめ測定し、投与時には必ず患者を横臥させること。各回投与時並びに治療期間中一定の間隔で血圧を測定すること。
5.本剤投与後、重度の低血糖、また、高血糖、糖尿病が起こることがあるので、治療期間中及び治療後も血糖値を測定、監視すること。
6.本剤投与後、QT延長及びTorsades de pointesを含む重篤な心室性不整脈が起こることがあるので、冠疾患の患者、心室性不整脈の既往のある患者、低カリウム血症の患者、低マグネシウム血症の患者、徐脈の患者、又はQT延長を起こすおそれのある薬剤を投与中の患者に投与する場合には注意すること。
7.吸入中に気管支痙攣が起こることがある。このような場合には、β-刺激性気管支拡張剤の投与が有効である。気管支収縮は喫煙者や気管支喘息の患者で起こりやすく、β-刺激性気管支拡張剤の前投与により気管支痙攣が予防できるとの海外での報告がある。
8.本剤吸入投与にあたっては、換気性の良い部屋を使用し、取り扱い者は防護手段(手袋、マスク等)を講じ、できる限り被曝されないようにすること。

【相互作用・その他】

相互作用

【併用禁忌】

併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ザルシタビン ハイビッド カリニ肺炎の治療のため本剤が必要になった場合は、ザルシタビンを休薬すること。海外で本剤(静注)との併用により劇症膵炎による死亡例が報告されている。 機序不明
ホスカルネットナトリウム ホスカビル 腎障害の増強、低カルシウム血症が起こることがある。なお、海外で本剤(静注)との併用により、重篤な低カルシウム血症が発現した死亡例が報告されている。 相加的に副作用(腎障害、低カルシウム血症)が増強する。
アミオダロン(注射剤) アンカロン注 併用によりTorsades de pointesのリスクが増加する。 併用によりQT延長作用が相加的に増強すると考えられる。


【副作用】

副作用

【発現状況】

副作用発現状況の概要
1)2)
<吸入投与>:承認時までの調査及び市販後の使用成績調査において、副作用は381例中93例(24.4%)に発現し、主な副作用は咳嗽15例(3.9%)、白血球減少、肝機能異常各11例(2.9%)、悪心10例(2.6%)、嘔吐8例(2.1%)、血小板減少、BUN上昇各6例(1.6%)等であった。(再審査終了時)
<静脈内・筋肉内投与>:承認時までの調査及び市販後の使用成績調査において、副作用は410例中184例(44.9%)に発現し、主な副作用として悪心30件(7.3%)、BUN上昇26件(6.3%)、腎機能障害25件(6.1%)、低血糖22件(5.4%)、肝機能障害21件(5.1%)、嘔吐19件(4.6%)、ALT(GPT)上昇17件(4.1%)、AST(GOT)上昇17件(4.1%)、クレアチニン上昇15件(3.7%)、Al-P上昇12件(2.9%)、高カリウム血症12件(2.9%)、白血球減少11件(2.7%)等がみられた。(再審査終了時)
投与経路別の副作用は、吸入投与単独では5例中3例(60.0%)に発現し、蕁麻疹、悪心、嘔吐、食欲不振及び腎障害各1件(20.0%)であった。静脈内・筋肉内投与単独では22例中9例(40.9%)に発現し、主な副作用としては、腎障害4件(18.2%)、嘔吐及び血糖値異常各2件(9.1%)がみられた。また、静脈内・筋肉内投与と吸入投与の混合では8例中5例(62.5%)に発現し、咳嗽4件(50.0%)、白血球減少2件(25.0%)、喘息様症状、咽頭刺激、口のまわりの違和感及び発熱各1件(12.5%)がみられた。(承認時)

【重大な副作用(国内)】

重大な副作用
1.ショック(0.2%)・アナフィラキシー:ショック・アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、関連する徴候が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2.Stevens-Johnson症候群(皮膚粘膜眼症候群):Stevens-Johnson症候群(皮膚粘膜眼症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
3.錯乱・幻覚(0.2%):錯乱・幻覚があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4.急性腎不全(0.7%):急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5.低血圧(2.2%)、QT延長、心室性不整脈(0.5%)、高度徐脈:重篤な低血圧、QT延長、心室性不整脈(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、このような症状が発現した場合には直ちに本薬の投与を中止し、再投与しないこと。また、高度徐脈があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6.低血糖(5.4%):重篤な低血糖があらわれることがあるので、このような症状が発現した場合には直ちに本薬の投与を中止し、再投与しないこと。
7.高血糖、糖尿病:高血糖、糖尿病があらわれることがあるので、このような症状が発現した場合には投与を中止し、インスリンなどの適切な処置を行うこと。
8.膵炎(0.5%):膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

【他副作用(国内)】

その他の副作用
[前文]
以下のような副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
発現部位等 5%以上 0.2%以上〜5%未満 0.2%未満
心・血管系 心室性頻脈、心電図ST異常
血液 白血球減少、血小板減少、貧血
代謝異常 K・Na・Clの異常 Ca・Mgの異常
過敏症 発疹、発熱
神経系 しびれ感、めまい 失神、神経痛
呼吸器 吸入投与時に、咳嗽、気管支痙攣、咽頭刺激
消化器 悪心・嘔吐注3) 腹痛、下痢、味覚障害、食欲不振
腎臓 BUN上昇注4) 血清クレアチニン上昇、血尿、無尿、乏尿
肝臓 AST(GOT)・ALT(GPT)・Al-P上昇、黄疸
投与部位 静脈内又は筋肉内投与時に、局所の膿瘍、壊死、疼痛、硬結 静脈内又は筋肉内投与時に、局所の不快感
その他 静脈炎、CK(CPK)上昇、LDH上昇 顔面潮紅

[後文]
注3)静脈内・筋肉内投与:12.0%、吸入投与:4.7%
注4)静脈内・筋肉内投与:6.3%、吸入投与:1.6%

【高齢者投与】

高齢者への投与
定期的に検査を行うなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

【妊産婦投与】

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、十分に検討した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験で母体死亡、胎児毒性(後期死亡児数の増加、化骨の遅延)が報告されている。]
2.授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[授乳婦への投与に関する安全性は確立していない。]

【小児投与】

小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験が少ない。]

【適用上の注意】

適用上の注意
1.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては下記の点に注意すること。
(1).神経走行部位を避けるように注意して注射すること。
(2).注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
2.吸入時:吸入投与に際しては、粒子径は効果に影響を及ぼすので、投与にあたっては注意すること。
3.調製時:
(1).本剤を溶解する時は、必ず日局注射用水を用いること。
(2).静脈内・筋肉内注射にあたっては、溶解液をさらに日局生理食塩液や日局ブドウ糖注射液で希釈してもよいが、それ以外の注射液とは混合または希釈して使用しないこと。
(3).吸入投与にあたっては、溶解液を他の薬剤と混合して使用しないこと。
(4).溶解後の未使用残留分は廃棄すること。

【その他の注意】

その他の注意
1.14日間以上の投与は、腎機能障害等の副作用による危険性に対して治療上の有益性が上回ると判断した場合にのみ行うこと。このとき、定期的な臨床観察・臨床検査による監視を続ける必要がある。
2.海外において、リーシュマニア症に対して筋肉内投与した場合に、横紋筋融解症が報告されている。
3.後天性免疫不全症候群(AIDS)患者のカリニ肺炎治療において、本薬を吸入投与した患者では静脈内投与した患者に比べ治療効果が低いとの海外報告がある3)4)。

【貯法】

貯法及び期限等
貯法
室温保存

【使用期限】

使用期限
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【同一成分一覧】

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